CSEOメッセージ

当社は、資本市場、株主・投資家の皆さまとの対話を、経営の高度化に直結させるプロセスとして位置付け、継続的にエンゲージメントを強化してきました。私は、2023年4月のCSEO就任以来、皆さまとのエンゲージメントを通じて得られた論点や示唆を都度経営に反映し、企業価値向上につなげていくことを常に心掛けています。
経営戦略2027(経戦2027)については、昨年度の公表以降、定量目標の達成への道筋および達成確度に関する解像度が低いといったご指摘や、当社が注力する成長投資分野が分かりにくいといったご意見を多くいただきました。当社として、この3年間、開示を含めてエンゲージメント活動の強化を進めてきましたが、依然として当社の取り組みが足りておらず、当社の成長戦略や投資判断がどのような考えに基づき実行され、今後の価値創造につながっていくのか、株主・投資家の皆さまに十分にお伝えできていなかった、ということと認識しました。
こうした株主・投資家の皆さまのご指摘を真摯に受け止め、社長室会や取締役会へのフィードバックを行った上で、2025年度下期の決算説明会資料において、経戦2027の打ち手である「磨く・変革する」の内訳・進捗について大幅な開示拡充を行いました。また、過去最大規模の成長投資案件となる米国シェールガス事業への参画について、社長登壇による説明会を開催し、案件の優位性のみならず当社としての総合力を活かした具体的な事業価値向上策をご説明するなど、皆さまの関心に応えた取り組みが実施できたのではないかと考えています。
また、開示以外でも、例えば投資や資産売却の意思決定において、資本市場の観点を意識した検討・審議を行っており、持続的な利益成長と資本効率の向上に資する案件の実行によりポートフォリオの強靭化を進めることができていると評価しています。なお、皆さまからご期待いただいている、金融投資家との連携による事業の成長加速や、業界再編につながる事業構想については、株主・投資家の皆さまとのエンゲージメント活動と連動する形で、利益成長と資本効率向上を同時に達成する重要施策として、取り組みが進んでおります。既に足元複数の案件が動いており、公表できる段階となりましたら、ご説明の機会をいただきたいと考えています。
こうした当社の取り組みも下支えとなり、2026年初めから当社のPER、PBRが大きく上昇しました(図1参照)が、2026年度の利益水準も2025年度比で回復する中、資本市場からの主な関心は、今後どのような打ち手によりさらなる価値向上を実現するのか、経戦2027の次はどこに注力し何を目指していくのかに移り、持続的な成長に関する株主・投資家の皆さまからの期待が一段と高まっていると認識しています。

PER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)の推移

そのため、6月に開催したインベスターデイや今回の統合報告書では、中長期の企業価値向上に向けた取り組みの解像度を上げるべく、説明を強化しています。特にインベスターデイでは、経戦2027で定量目標として掲げた営業収益キャッシュフローの持続的成長(年平均成長率10%以上)を起点としたEPSの着実な積み上げ(図2参照)を実現するための枠組みとして、初めて4つの成長領域に絞った説明を行った他、全社のROE目標達成を担保するための経営管理制度、事業領域ごとのROE目標のイメージについて定量・定性の両面から開示も行いました。

PS(1株当たり利益)の推移

ご参加者の皆さまからは、当社が経戦2027期間を超えた中長期での成長の絵姿を示したことについてご評価いただいた一方、実現確度を測る上で、経営管理制度の実効性や、ROE向上のための具体的なアプローチについてご質問を頂きましたが、これらの点については、本統合報告書の「価値創造メカニズムの実践を支える仕組み(P.19)PDFファイルを開きます」の中でご説明しておりますので、ご覧いただければ幸いです。
最後に、当社は2026年度に「カーボンニュートラル社会へのロードマップ2.0」を公表しました。本見直しに当たっては、株主・投資家の皆さまをはじめとする幅広いステークホルダーの皆さまとのエンゲージメントを通じて得られた意見や問題意識を踏まえ、外部環境の変化やエネルギー転換の複雑化、その結果としての脱炭素シナリオの複線化に対応した現実的な道筋を整理しました。
今後も取り組み進捗について継続的に開示し、透明性の高い対話を通じて当社の取り組みに対する皆さまの理解を深めていただくとともに、当社として引き続き持続的な企業価値向上と社会課題の解決の両立を目指してまいります。

TSR(株主総利回り※)の推移