1954年~ 第11話 “所期奉公”のこころで ~三菱商事太陽の設立と社会貢献活動
最終回は、真に豊かな社会の実現を目指し、MCが取り組んできた社会貢献活動について振り返ります。
MCが社会環境室を設置したのは1973年10月のこと。藤野忠次郎社長が講演で、「企業は社会の一員として社会貢献事業を積極的に行うべきで、そのための経費は企業が社会で存続するための社会的経費(ソーシャル・コスト)として、利益を得る前に負担しなければならない」と社会貢献の重要性を唱え、これがきっかけとなって、MCの社会貢献活動がスタートしました。74年、人と人、自然と人のこころの触れ合いを目的とした「母と子の自然教室」を開始。これは現在も続くMCの代表的な社会貢献活動として高い評価を得ています。
そして79年、社会的関心が高まりつつあった「福祉」において、「重度身体障がい者の職能開発」への取り組みを始めます。81年の国際障害者年を契機に、日本国内で障がい者の雇用促進が働き掛けられる中、三村庸平社長(80~86年)は、さらなる障がい者雇用の促進を指示します。そこで、障がい者の新たな職域開発などで協力関係にあった社会福祉法人太陽の家(大分県)との共同出資により、三菱商事太陽を83年12月に設立。コンピューターによる情報処理、システム設計・プログラミングなどを主な事業として、IT業界における重度障がい者の参加という、世界的にも類を見ない画期的な取り組みとして注目を集めました。
MCは国内外でのビジネス拡大を図る一方、企業の社会的責任の担い手として、さまざまな社会貢献活動を継続して行うことを重視してきました。スタートから約40年、現在は「地球環境」「福祉」「教育」「文化・芸術」「国際交流」の5分野を中心に、「熱帯林再生実験プロジェクト」「サンゴ礁保全プロジェクト」「三菱商事アート・ゲート・プログラム」などを展開。さらに、2011年4月からは東日本大震災の復興支援活動として、被災地への社員ボランティアの派遣や三菱商事復興支援財団を通じた支援などに取り組んでいます。MCの企業理念『三綱領』に掲げられている「所期奉公」の実践の一つとして、これからもMCでは「社員自ら汗をかき」「継続する」社会貢献活動を行っていきます。