チリ・Marimaca銅鉱山プロジェクトへの新規参画について
2023年6月22日
三菱商事株式会社
三菱商事株式会社(以下「当社」)は、チリ共和国のMarimaca銅鉱山プロジェクトへの新規参画を目的とし、同プロジェクトの権益を保有するカナダのMarimaca Copper Corp.社(以下「Marimaca社」)の新株約5%を、第三者割当増資引受により20百万カナダドル(約21億円)で取得することについてMarimaca社と合意致しました。また当社は併せて、新株発行数と同数の新株予約権を取得しております。
チリ共和国北部アントファガスタ州に位置するMarimaca銅鉱山プロジェクトは、2016年に銅資源が発見され、その後の探査活動によって順調に資源量が積み増された結果、年間約5万トン(山命 15年以上)の銅生産が期待される新規プロジェクトです。
Marimaca銅鉱山プロジェクトは、標高が1,000m程度と低く、港湾・道路・水・電力等のインフラへのアクセスが良い場所に位置している為、開発コストの観点で優位性を有しています。また、銅資源が比較的浅い位置に有り、リーチング(※)により鉱山で銅地金まで生産することから、採掘・輸送に於ける温室効果ガス排出量が低く、更に再エネ電源の活用を計画しており、環境負荷の低いプロジェクトとなることが期待されます。加えて、採掘予定の鉱区周辺に多数の探査鉱区を有しており、今後の探査状況次第では、更なるアップサイドが見込まれます。
(※)採掘した鉱石を積み上げ、酸を散布して銅分を浸出させる生産方法。
今回の引き受け対価である20百万カナダドルは、本プロジェクトの事業化調査や環境許認可取得準備等、プロジェクト建設開始前に必要となる資金に充当されます。
今後は、当社が長年に亘り培った、銅鉱山事業に於ける知見を活かし、2030年頃迄の生産開始に向け、Marimaca社との協議を重ねて参ります。
銅は、風力・太陽光発電などの再生可能エネルギー並びにEVの普及を中心とした電化の進展、カーボンニュートラル社会実現に不可欠な資源であり、中長期的な需要増が見込まれる一方、世界的な品位の低下や環境規制等を背景に新規鉱山開発の難易度は高まっており、安定供給が課題となっています。
当社は、昨年5月に公表した「中期経営戦略2024 MC Shared Value(共創価値)の創出」に於いて、銅資源事業への投資を含むEX(エネルギートランスフォーメーション)関連投資を成長戦略の1つに掲げており、今回の投資はその一環として位置づけられます。当社の持分銅生産量は、ケジャベコ銅鉱山の生産開始により年間約40万トンに達する見込みですが、今後も更なる銅資源の確保と安定供給に取り組んで参ります。
■Marimaca Copper Corp社 概要
会社名 | Marimaca Copper Corp. |
本店所在地 | カナダ バンクーバー |
設立 | 2020年(前身のCoro Mining Corp.は2004年設立) |
代表者 | Hayden Locke |
上場先 | トロント証券取引所 |
■Marimaca銅鉱山プロジェクト 概要
権益保有者 | Marimaca Copper Corp. 100% |
採掘方法 | 露天掘 |
生産開始 | 2030年頃迄 |
年間生産量 | 約5万トン |
山命 | 15年以上 |
三菱商事のマテリアリティ(重要課題)
三菱商事は、企業理念「三綱領」に基づき、事業を通じて社会の持続可能な発展へ貢献し、価値創造に取り組むことで、社会と共に発展してきました。『中期経営戦略2024』で目指すMC Shared Value(共創価値)の継続的な創出に向け、当社が解決していく重要な社会課題である「マテリアリティ」を指針として、当社の持続可能な成長に向けた取り組みを強化していきます。本件は、事業活動を通じて目指す「カーボンニュートラル社会と物心共に豊かな生活の実現」に関する6つのマテリアリティの内、特に「脱炭素社会への貢献」と「持続可能で安定的な社会と暮らしの実現」に資する取り組みになります。
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