Project Stories
東南アジアマネージドケア事業
東南アジアでは近年、中間所得層の拡大に伴い、生活習慣病の増加や医療費の高騰が深刻な社会課題となっています。三菱商事はその解決策として、医療内容とコストを適切に管理することで、誰もが適正な価格で適切な医療を受けられるようにする「マネージドケア」に着目。その一環で2025年、東南アジアのマネージドケア業界をリードするFullerton Health Pte. Ltd.(以下、Fullerton)に出資参画しました。両社の強みを掛け合わせることにより、域内における事業拡大に加え、将来的にはその他地域への展開も目指します。
01.公的保険だけでは安心できない?東南アジア医療の課題
日本では、「国民皆保険制度」によって全国一律の価格で安定した診療を受けることができますが、東南アジアの多くの国では事情が異なります。公的医療保険がカバーする範囲が限られていることに加え、利用が急速に拡大している民間医療保険は診療価格が自由競争で決まるため、人々が適正な価格で適切な医療にアクセスするための仕組みが必要です。一方、医療費の高騰が進み、民間医療保険への加入を福利厚生として提供する企業の負担が増加していることも大きな課題となっています。
東南アジアと日本における医療制度の違い

02.企業・個人・医療機関がメリットを享受する「マネージドケア」とは?
こうした課題の解決策として、三菱商事が着目したのが「マネージドケア」という医療モデルで、2025年、東南アジア最大手のマネージドケア事業者であるFullertonに出資参画しました。
マネージドケアとは、マネージドケア事業者が保険会社と医療機関の間に入り、医療内容とコストを調整する仕組みのことです。「企業は医療費の負担が軽くなる」「(職域経由で保険に加入する)従業員などの個人はマネージドケア事業者の提携クリニックで安心して医療サービスを受けられる」「医療機関は確実に患者を確保できる」といった関係者それぞれがメリットを享受できます。

03.三菱商事とFullerton両社の強みを掛け合わせ事業拡大へ
Fullertonは、シンガポールを拠点に8市場でマネージドケア事業を展開し、約600の自社クリニックを有するほか、20,000を超える医療機関と提携しています。また、遠隔診療や訪問診療、企業向けの健康増進プログラムなど、人々の健康増進に寄与するサービスを幅広く展開していることも特徴です。さらに2026年6月にはインドネシア最大手マネージドケア事業者であるPT Administrasi Medika (AdMedika)を買収し、事業規模を拡大させています。
三菱商事は今後、こうしたFullertonの強みに、自社が有するヘルスケア領域の知見やDXの推進実績を掛け合わせるだけでなく、金融・決済サービスや健康関連商品の企画・マーケティングなどの三菱商事グループの強みを取り込むことも計画しています。また、2026年2月にはFullerton傘下のフィリピン大手民間医療保険会社Intellicare Groupと戦略的パートナーシップを締結し、両社のシナジー創出を加速させていきます。
今後も両社の強みを掛け合わせ、事業の付加価値を高めながら東南アジアで確固たる事業基盤を構築するとともに、持続可能で安心・安全な医療サービスの提供を目指していきます。
