当社海外連結子会社での損失発生について
2019年9月20日
三菱商事株式会社
今般、当社のシンガポール連結子会社において、デリバティブ取引に関連して下記の通り損失が発生したことが判明致しました。現在も詳細調査を継続しておりますが、現時点で判明しております内容をお知らせ致します。
損失が発生したことを厳粛に受け止め、当社グループ全体で再発防止に向けた取組みを一層強化して参ります。
1. 発生事実
原油・石油製品トレーディング会社である当社子会社のPetro-Diamond Singapore (Pte) Ltd.(以下、PDS)が行っていた原油デリバティブ取引において、総額約320百万米ドルの損失が発生する見込みです。既に対象となるデリバティブ取引については手仕舞い、損失を確定しておりますが、その他関連取引費用等を含めた損失の最終確定額を精査しております。
2. 損失発生の経緯
PDSが行っていた中国向け原油取引において、本取引を担当していた元現地プロパー社員(中国籍 以下、当該社員)が社内規程に違反し、中国向け原油取引に関連したヘッジ取引と偽って、本年1月よりデリバティブ取引を繰り返していました。デリバティブ取引で発生した損失については、PDSのリスク管理システム上のデータを変更することにより、顧客との取引に関連したヘッジ取引であるかのように装い、PDSにおける損失が社内で認識出来なくなる操作を繰り返していました。7月以降の原油価格下落局面において、デリバティブ取引損失が拡大した結果、今回の大きな損失に繋がったものです。
8月中旬になり、当該社員が欠勤したことを受け、当該社員が担当していた原油取引やデリバティブ取引を精査したところ、上記のことが判明致しました。
3. 当社とPDSでの対応
本取引における損失の可能性が認められた後、直ちに社外弁護士と相談の上で現地外部専門家を含めた調査体制を整え、事態の全容把握と原因究明に取り組んでおります。
・PDSとしては、顧客との取引に関連しないデリバティブ取引の損失確定を直ちに実施致しました。また、現在、本取引と同様の新規取引は中止しております。
・当社としては、PDSの契約書等の関係書類/社内規程/リスク管理システム/内部統制整備状況等の確認、及び関係者への調査を行いました。その結果、PDSでは直接顧客と取引を行うトレード担当と別に、独立してリスク管理、顧客との証憑チェックを担当するミドルオフィスを設置する等、内部統制を支える仕組みを整備していることを改めて確認致しました。しかしながら、今回当該社員による操作を早期に検知出来なかったことをふまえ、より厳格な運用に変更し、再発防止への対応を取りました。
・また同様の事案が他にないか、デリバティブを扱っている当社内の部局及び当社グループ会社を含め調査した結果、現状問題無いことを確認致しました。
・上記の通り当該社員による社内規程違反が判明した為、PDSとして9月18日付で解雇致しました。また、当該社員が重大な社内規程違反・法令違反を犯し、会社に多大なる損害を与えたことに対し、断固たる対応を取るべく、当該社員をPDSとして9月19日付で刑事告訴しております。
4. 業績に与える影響
当社の通期業績見通しに関する影響については精査中であり、業績見通しの見直しが必要になった場合には速やかに発表致します。
現時点で判明している事実は以上ですが、調査は依然継続中であり、お知らせすべき新たな情報が確認され次第、改めてご報告致します。
Petro-Diamond Singapore (Pte) Ltd. (PDS) 社概要
所在地 :1 Temasek Avenue #17-01 Millenia Tower, Singapore 039192
代表者 :山縣 英之
設立 :1989年5月
資本金 :2百万シンガポールドル
株主 :三菱商事株式会社(全額出資)
事業内容 :シンガポールを拠点とした原油/石油製品のトレーディング
以 上
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