米国Copper World未開発銅鉱山の権益取得について

2025年8月14日
三菱商事株式会社

三菱商事株式会社(以下「三菱商事」)は、Hudbay Minerals社(本社:カナダ、以下「Hudbay」)が保有する米国Copper World銅鉱山(以下「本プロジェクト」)の権益30%を、600百万ドル(約870億円、内権益対価420百万ドル(約610億円)、一部開発費用180百万ドル(260億円))の増資引受けを通じて取得し、Hudbayと本プロジェクトの最終事業化調査を実施することに合意しました。

米国は世界第2位の銅需要国であり、今後は人口増加に加え、生成AIやデータセンターの拡大による電力需要の増加、さらには電化の進展などにより、堅調な需要成長が期待されます。本プロジェクトが所在するアリゾナ州は米国内銅鉱山生産の約7割を占める鉱業の盛んな地域であり、各種インフラへの良好なアクセスがあります。本プロジェクトは開発及び操業開始に要する主要許認可を取得済で、2029年頃から最大年間約10万トンの銅生産が期待され、将来的には周辺鉱区の許認可取得による更なる拡張ポテンシャルを有しています。


パートナーのHudbay は1927 年の設立以降、長年の鉱山開発・操業経験を有し、銅及び金の操業中鉱山を3 件、未開発案件を本プロジェクト以外に2 件保有しています。三菱商事は、長年に亘り米国を中心に北米にて広範な事業を展開すると共に、資源会社とのパートナーシップを通じ、グローバルに多様な金属資源への投資を行って参りました。銅については、銅鉱山事業経営の知見とグローバルトレーディング事業から得た経験を活かし、2030年度以降に持分銅生産量年間40万トン超への拡大を目指しています。本出資参画は同目標に向けた取組みの一環と位置付けており、2026年頃の最終開発意思決定に向けて、三菱商事の銅鉱山事業経営における知見や北米での事業経験を駆使し、今後Hudbayと共に最終事業化調査を進めて参ります。

三菱商事は2025年4月に公表した「経営戦略2027 -総合力をエンジンに未来を創る-」の通り、価値創造メカニズムである「磨く・変革する・創る」を通じて、資源の持分生産量拡大・競争力強化に取り組んでいます。銅は、中長期的な需要増が見込まれる一方、世界的な鉱石の品位低下等を背景に新規鉱山開発の難易度は高まっており、安定供給が課題となっています。三菱商事は今後も低・脱炭素社会の実現に不可欠な銅資源の確保、及び安定供給に取り組んで参ります。

Copper World銅鉱山プロジェクトサイト
Copper World銅鉱山プロジェクトサイト
プロジェクト概要
所在地 米国 アリゾナ州 ツーソン近郊
採掘方法 露天掘
埋蔵量* 約2百万トン(銅分換算)
資源量** 約5百万トン(銅分換算)
生産開始 2029年頃
最大年間生産量 約10万トン
山命 約20年(拡張ポテンシャルあり)

*経済性が確認され採掘可能な鉱物量

**埋蔵量に加え、地質調査により存在が確認されている鉱物総量


Hudbay社概要

会社名 Hudbay Minerals Inc.(ハドベイ・ミネラルズ)
本社所在地 カナダ オンタリオ州 トロント
設立年 1927年
代表者 Peter Kukielski
取引市場 トロント証券取引所・ニューヨーク証券取引所
事業内容 カナダ・米国・ペルーにおける銅及び金鉱山の開発及び操業


三菱商事

三菱商事は、世界中に広がる連結対象会社と協働しながらビジネスを展開しています。地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.、電力ソリューションの8グループ体制で、幅広い産業を事業領域としており、 貿易のみならず、パートナーと共に、世界中の現場で開発や生産・製造などの役割も自ら担っています。


三菱商事のマテリアリティ(重要課題)

三菱商事は、企業理念「三綱領」に基づき、事業を通じて社会の持続可能な発展へ貢献し、価値創造に取り組むことで、社会と共に発展してきました。今後も共創価値を継続的に創出しつつ、当社が解決していく重要な社会課題である「マテリアリティ」を指針として、当社の持続可能な成長に向けた取り組みを強化していきます。本件は、事業活動を通じて目指す「カーボンニュートラル社会と物心共に豊かな生活の実現」に関する6つのマテリアリティの内、特に「脱炭素社会への貢献」と「持続可能で安定的な社会と暮らしの実現」に資する取り組みになります。
脱炭素社会への貢献
自然資本の保全と有効活用
持続可能で安定的な社会と暮らしの実現
イノベーションを通じた社会課題の解決
地域課題の解決とコミュニティの共生
事業推進における人権の尊重

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