三菱商事

プレスルーム

2023年8月7日
三菱商事株式会社

サステナブルペットボトルのサプライチェーン構築
世界初のバイオパラキシレンによる“バイオマスtoペットボトル”の取り組み

三菱商事株式会社(社長:中西 勝也、以下「当社」)は、サントリーホールディングス株式会社(社長:新浪 剛史、以下「サントリー」)、およびENEOS株式会社(社長:齊藤 猛、以下「ENEOS」)、と、使用済み食用油などバイオマス資源※1由来の、サステナブルペットボトルのサプライチェーン構築について合意しましたので、お知らせいたします。
 
サプライチェーンは以下の通りで、NESTE Corporation(社長:Matti Lehmus、以下「NESTE」)が製造するバイオナフサを原料として活用致します。
①NESTEが使用済み食用油などのバイオマス資源からバイオナフサを製造
②ENEOSが水島製油所で、バイオナフサから製造した原料より、バイオパラキシレン(PX)※2を製造
(バイオPXの製造に当たってはマスバランス方式※3を活用)
③バイオPXを使用したバイオ高純度テレフタル酸(PTA)※4、バイオペットボトル用樹脂(PET樹脂)を製造
④サントリーがバイオPET樹脂を活用しサステナブルペットボトルとして自社製品に使用
当社は、上記サプライチェーン全体のマネジメントを担います
 
バイオナフサ由来のバイオPXを使用したサステナブルペットボトルの製造は、商業規模では世界初※5となる取り組みです。今回のサプライチェーン構築の要となるバイオPXは、2023年中に、ペットボトル約3,500万本に相当する数量を製造予定です。最終的に、サントリーのサステナブルペットボトル原料として2024年から活用されることとなります。
 
 
<サプライチェーン図>
脱炭素社会の実現に向けて、ペットボトルはバイオ化による対応が今後リサイクルと同様に重要になると想定されています。ペットボトルの原料であるPET樹脂については、主原料の30%を占めるエチレングリコール(MEG)のバイオ化は進められているものの、残り70%のPXから製造されるPTAのバイオ化に課題がありました。
 
今回のサプライチェーンでは、PTAの原料であるPXをバイオ化することで、PET樹脂のバイオ化に向けた課題解決に寄与するとともに、従来の石油由来の製品に比べて大幅なCO2削減に貢献できる見込み※6です。
 
当社は、日常生活で利用されている様々な化石燃料由来のプラスチックをバイオプラスチックに転換していくことによる素材のグリーン化推進を目指し、素材分野においても脱炭素社会の早期実現に貢献して参ります。
 
※1  生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、エネルギーや物質に再生が可能な、動植物から生まれた有機性の資源(石油や石炭などの化石資源は除く)のこと。具体的には使用済みの食用油など。
※2  パラキシレン(PX)は、ポリエステル繊維やペットボトル用樹脂の原料となる高純度テレフタル酸(PTA)の原料として用いられ、従来は石油由来のナフサから製造される。
※3 原料から製品への流通・加工工程において、バイオマス原料等の特定の特性を持った原料がそうでない原料と混合された場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて製品の一部に対してその特性を割り当てる手法。サプライチェーンに登場する各社が、それぞれのInとOutのバランスを管理することで、原料の持つ特性の価値を最終製品まで繋ぐ仕組み。
 
 
<マスバランスのイメージ図>
※4 高純度テレフタル酸(PTA)は、ペットボトル用樹脂の原料の1つであり、PTAはパラキシレンを酸化させることで製造される。ペットボトル用樹脂は、PTAとエチレングリコール(MEG)を反応させることで製造される。
※5  2023年7月末時点、商業規模ベース(当社調べ)。
※6 2021年度データに基づくENEOSと株式会社ウェイストボックスの共同調査並びにバイオ原料提供者の削減排出量に基づく。 
 

 
三菱商事のマテリアリティ(重要課題)
 
三菱商事は、企業理念「三綱領」に基づき、事業を通じて社会の持続可能な発展へ貢献し、価値創造に取り組むことで、社会と共に発展してきました。『中期経営戦略2024』で目指すMC Shared Value(共創価値)の継続的な創出に向け、当社が解決していく重要な社会課題である「マテリアリティ」を指針として、当社の持続可能な成長に向けた取り組みを強化していきます。本件は、事業活動を通じて目指す「カーボンニュートラル社会と物心共に豊かな生活の実現」に関する6つのマテリアリティの内、特に「脱炭素社会への貢献」「自然資本の保全と有効活用」「持続可能で安定的な社会と暮らしの実現」「イノベーションを通じた社会課題の解決」に資する取り組みになります。

ニュースリリースに関するお問い合わせ先

三菱商事株式会社 広報部 報道チーム
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