三菱商事

プレスルーム

2024年3月5日
三菱商事株式会社

カナダ・PAKリチウムプロジェクトへの新規参画について

三菱商事株式会社(以下「当社」)は、カナダ鉱山会社のFrontier Lithium社(以下「Frontier社」)が100%保有するカナダのPAKリチウムプロジェクトへの新規参画を目的とし、同プロジェクト権益を引き継ぐ新設会社宛に、25百万カナダドル(約26億円)を出資し、同社の7.5%株式を取得することについてFrontier社と合意致しました。また当社は併せて、25%迄の株式買増しに係る優先交渉権も取得しております。
 
カナダ・オンタリオ州に位置するPAKリチウムプロジェクトは、鉱山と精製プラントを含む開発案件です。2013年にリチウム資源のポテンシャルが確認され、その後の探査活動によって順調に資源量が積み増された結果、炭酸リチウム換算で年間約2万トンの生産(EV約30万台相当)が20年超にわたって期待されています。
 
当社は、PAKリチウムプロジェクトの資源量が北米有数であることに加え、鉱石品位が北米最高水準にあると評価し、当社として初となるリチウム資源の獲得を決定致しました。また、本プロジェクトは鉱業が盛んなオンタリオ州に所在し、水力発電由来のクリーンな電力が活用できるため、環境負荷の低いリチウムプロジェクトとなることが期待されていると共に、北米EV市場へのアクセスも良好です。加えて、採掘予定の鉱区以外に複数の探査鉱区を有しており、今後の探査状況次第では、更なる資源量のアップサイドが見込まれます。
 
今回の引き受け対価である25百万カナダドルは、本プロジェクトの事業化調査や環境許認可取得準備等、プロジェクト建設開始前に必要となる資金に充当されます。
 
今後は、当社が長年に亘り培った、鉱山事業における知見を活かし、2027年頃にガラス・セラミック等の工業用途の高品質精鉱、2030年頃に電池用途のリチウム化成品の生産開始を目指し、本プロジェクトの立ち上げに向けてFrontier社との協議を重ねて参ります。
 
リチウムは車載用蓄電池の重要な原料のため、EVの普及を支え、電化の進展、カーボンニュートラル社会への移行に不可欠な資源です。今後、需要の急増が見込まれる一方、供給が追い付かず中長期的な供給不足が懸念されており、安定供給が課題となっています。
 
当社は、22年5月に公表した「中期経営戦略2024」において、リチウム資源事業への投資を含むEX(エネルギー・トランスフォーメーション)関連投資を成長戦略の1つに掲げており、今回の投資はその一環として位置づけられます。今後も脱炭素社会の実現に向けて、リチウムをはじめとした電化に資する金属資源の確保と安定供給に取り組んで参ります。
 
出資スキーム
■Frontier Lithium 概要
会社名
 Frontier Lithium Inc.
本店所在地
 カナダ サドベリー
設立
 1995年(2016年にHouston Lake Mining Inc.から改名)
代表者
 Trevor Walker
上場先
 トロントベンチャー証券取引所
■PAKリチウムプロジェクト 概要*
権益保有者
 Frontier Lithium Inc. 100%                           
採掘方法
 露天掘り
資源量
 58.5百万トン (1.50%Li2Oベース)
生産開始
 2027年頃
年間生産量
炭酸リチウム換算 20,000トン (EV約30万台相当)
山命
 20年超                                                                           
*2023年5月に公表されたPre-feasibility studyの結果を前提に記載(URL: https://mailchi.mp/frontierlithium/pfs23)。
 

 
三菱商事のマテリアリティ(重要課題)
 
三菱商事は、企業理念「三綱領」に基づき、事業を通じて社会の持続可能な発展へ貢献し、価値創造に取り組むことで、社会と共に発展してきました。『中期経営戦略2024』で目指すMC Shared Value(共創価値)の継続的な創出に向け、当社が解決していく重要な社会課題である「マテリアリティ」を指針として、当社の持続可能な成長に向けた取り組みを強化していきます。本件は、事業活動を通じて目指す「カーボンニュートラル社会と物心共に豊かな生活の実現」に関する6つのマテリアリティの内、特に「脱炭素社会への貢献」に資する取り組みになります。

ニュースリリースに関するお問い合わせ先

三菱商事株式会社 広報部 報道チーム
TEL:03-3210-2171
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