
北海道におけるLNGトラック向けLNG充填事業のご紹介
最新情報
-
環境省実証事業期間が終了、協力企業各社と共に2025年度の事業継続を決定
-
石狩LNG充填所を休止
-
苫小牧充填所にて、7回目の液化バイオメタンとLNGの混合を実施
-
苫小牧・石狩での累計LNG充填回数3,000回、充填量約470トンを達成
-
エア・ウォーター物流株式会社にてVolvo製LNGトラクターヘッド運用開始
-
苫小牧・石狩での累計LNG充填回数2,500回、充填量約390トンを達成
-
苫小牧・石狩での累計LNG充填回数2,000回、充填量約320トンを達成
-
苫小牧充填所にて、6回目の液化バイオメタンとLNGの混合を実施
-
苫小牧・石狩での累計LNG充填回数1,500回、充填量約240トンを達成
-
苫小牧充填所にて、5回目の液化バイオメタンとLNGの混合を実施
-
苫小牧・石狩での累計LNG充填回数 1,000回、充填量 約160トンを達成
-
環境省より、当該事業に対する2年間の実証期間延長が認められた
-
苫小牧充填所にて、4回目の液化バイオメタンとLNGの混合を実施
-
苫小牧充填所で、3回目の液化バイオメタンとLNGの混合を実施
-
苫小牧充填所で、2回目の液化バイオメタンとLNGの混合を実施
-
苫小牧・石狩でのLNG充填量の累計が100トンを達成
-
NHK北海道にてニュース放映・Web記事掲載(家畜の糞尿をもとに製造した燃料で走行 全国初の実証実験)
-
日本経済新聞電子版にて記事掲載(液化バイオメタン混合LNGでトラック走行)
-
石狩充填所で累計100回のLNGトラック向け充填を達成
-
苫小牧充填所で累計100回のLNGトラック向け充填を達成
-
石狩充填所操業開始
事業の目的
本事業は運輸部門でのCO2排出量削減を
水素燃料車(FCV)が抱える大型トラック向けの 課題(十分な航続距離・積載能力が実現困難、
また充電・充填に長時間を要する等)を踏まえ、 カーボンニュートラル社会実現に向けた
現実解のひとつとして推進するものです。
LNGトラックは、現時点でEVやFCVが達成困難と
かつ従来のディーゼルトラックと比較し、 10%程度以上のCO2排出削減効果が 期待される次世代燃料トラックです。
エア・ウォーター株式会社
日本で初めてLNGを燃料とする 大型トラック(以下「LNGトラック」)と
小型可搬式LNG充填設備 (以下「LNG充填ボックス」)を用いて、
2021年度から4年間に亘り 環境省実証事業に取り組みました。
実証事業終了後の現在もLNGトラック向け LNG充填事業を継続中であり、
日本国内で普及させることを目指しております。
事業の概要
環境省実証事業に採択
2021年5月、環境省の「令和3年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」*1に採択され、
2022年からLNGトラックの実証走行を開始しました。2024年2月にはLNG充填ボックスの付帯設備として、新たに圧縮天然ガス(CNG)充填設備*2を追加しLNGトラック向けCNG充填も開始しました。
2025年3月末で環境省実証事業期間は満了となりましたが、その後も取組に賛同頂いている各社様のご支援の下、
LNGトラック向けLNG充填事業を継続しています。尚、本事業は、北海道庁が推進する「ゼロカーボン北海道」*3に賛同しております。

*1 2022年度から「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に名称変更されました。
*2 CNGはCompressed Natural Gasの略であり、圧縮した状態の天然ガス(LNGとは異なり気体の状態)。
現行のLNGトラックは、エンジンの暖気や高負荷時に補助燃料としてCNGを利用する仕様であるため、
定期的なCNG充填が必要となります。
*3 北海道経済部が推進する取組。北海道では、「2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す」
ことを表明しており、北海道が有する豊かな地域資源を最大限に活用しながら、
脱炭素化・経済の活性化・持続可能な地域づくりを同時に進める「ゼロカーボン北海道」に向け、
道民・事業者・市町村・団体等が一体となり、その実現を目指すこととしています。
充填所運営・車両走行の実績
2022年4月に苫小牧市、同年6月に石狩市においてLNG充填設備の操業、
計14台のLNGトラック(いすゞ製LNG GIGA)の実証走行を開始しました。
2022年4月の実証走行開始以来、累計走行距離は230万キロを突破し(2025年3月時点)、
充填所・車両共に大きな不具合・トラブルもなく、充填時間等含め軽油車同様のオペレーションを継続中です。
2024年7月には、Volvo製のLNGを燃料とするトラクターヘッド2台を新たに実証事業に導入し、
同年8月より走行開始しています。
液化バイオメタンの利用
2022年11月、北海道内の畜産ふん尿由来のバイオガスを原料として製造される
液化バイオメタン(LBM)のLNGへの混合を苫小牧充填所にて実施し、
LNG/LBM混合燃料のLNGトラックへの充填及び実証走行を開始しました。
苫小牧充填所でのLBMの混合はこれまでに計7回実施され、
LNG/LBM混合燃料中に占めるLBMの最大混合率は約65%を記録しています。-
-
Volvo製LNGトラクターヘッド
-
- 液化窒素貯蔵タンク
- コージェネレーション発電機
- ボイルオフガス再液化装置
- LNG貯蔵タンク
- 温水ボイラ
- 温度調整器 温水式蒸発器
- LNGディスペンサー(給液機)
- ボイルオフガス バッファータンク
- UPS装置
石狩LNG充填ボックス -
苫小牧LNG充填ボックス
- 液化窒素貯蔵タンク
- ボイルオフガス再液化装置
- LNG貯蔵タンク
- ボイルオフガス バッファータンク
- LNGディスペンサー(給液機)
- 温度調整器 温水式蒸発器
- 温水ボイラ
事業パートナー
共同実施者
協力者
- 北海道電力株式会社
- いすゞ自動車株式会社
- エア・ウォーター物流株式会社
- 公益財団法人北海道トラック協会
- UDトラックス株式会社
(ボルボ・トラック)
LNGトラック走行協力者
関係省庁

よくあるQ&A
LNG充填BOXの特徴は?
輸送事業者の物流施設内での設置も想定し、大型トラック1台分の駐車スペースに設置できるよう、小型化いたしました。1日当たり、50~60台分のLNGトラックの充填に対応しており、LNGトラック1台当たりの充填時間はわずか10分程度です。LNG充填ボックス内のLNG在庫量を遠隔監視し、LNG充填ボックスへのLNG補充を適時適量で行うシステムを構築することで、LNG充填ボックスへのLNG安定供給体制を確立しています。
また、LNG充填ボックスの付帯設備として、CNG充填設備も付加・運営しているため、苫小牧充填所ではLNGトラックの補助燃料として使用するCNGもLNGと併せて充填することが可能です。
車両向け燃料としての
LNGの利点は?
LNGトラックは、電気自動車や燃料電池車では困難な1,000km以上の長距離走行と積載量の確保が可能です。
LNGトラックは、従来のディーゼルトラックに比して、10%程度以上のCO2排出量削減※が期待できます。LNGトラックは、振動・騒音も軽減されており、排気ガスも非常にクリーンでディーゼルのような石油臭もないのが特徴です。
※平成28~30年度の環境省「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」にて、いすゞ自動車が試作した大型LNGトラックは、高速走行を中心とした都市間輸送にて、1回の燃料充填当たり1,000km以上の走行と、2015年度(平成27年度)重量車燃料基準値を達成したディーゼル車比CO2排出量10%程度以上の削減を達成。
環境省実証事業の詳細は?
2021年から2024年にかけ、LNG充填ボックスの商用化に向けて、いすゞ自動車株式会社のLNGトラック14台、およびVolvo製LNGトレーラーヘッド2台を用いて、エア・ウォーターと共に実証事業に取り組みました。北海道電力株式会社の協力のもと、本設備の社会実装性の検証、およびLNGトラック実走行時におけるCO2排出量と燃料費の削減効果を確認の上、事業化の検討を行ってきました。加えて、LNGへの液化バイオメタンの配合を行い、CO2のさらなる削減についても実証いたしました。
LNG充填ボックスの安全性は?
LNGトラックに充填されるLNGは、極低温液体のため、専用ノズルを用い、完全に密閉された状態で行われます。LNG充填作業者は、低温になる箇所に触れて低温やけどになるリスク等を避けるため、保護手袋とフェースガードの着用が必要です。加えて、LNG充填ボックス周辺の火気の扱いも禁止するなど、安全策を図っております。
また、LNG充填ボックス内のLNGタンクは二重構造になっており、LNGの液漏れリスクは限りなく低いものとされております。LNGは毒性がなく、気化ガスは空気よりも軽いため、万一、地面にLNGが液漏れした場合も気化し、放散するため、土壌や水質を汚染することはありません。


お問い合わせ先
地球環境エネルギーグループCEOオフィス
モビリティグループ いすゞ事業本部付