世界ひとめぐり 五感を震わす圧巻の大瀑布、ナイアガラのもう一つの顔は?
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四方八方からの水しぶき!大迫力の滝つぼへ
カナダの大自然と聞いて、私が真っ先に思い浮かぶのはナイアガラの滝です。
「あまりに定番では?」と思われるかもしれませんが、実際にその前に立つと、長く人々を引き付けてきた理由がよく分かります。
トロントから車で約1時間半。週末の日帰り旅行でも訪れられるこの大瀑布へ、赴任して間もない頃に家族と足を運びました。観光船に乗って滝つぼ近くまで進むと、世界が一変します。轟音は次第に大きくなり、毎秒数千トンもの水が50mを超える高さから落下する光景が目の前に迫ります。水面は白く沸き立ち、霧のようなしぶきが四方から吹き付け、上も下も、前も後ろも水しぶき――。まるで自分が水中にいるかのような錯覚に陥ります。用意した雨具も役に立たず、全身ずぶぬれ。最後には笑うしかありませんでした。写真や映像では伝わらない、自然の圧倒的な力を全身で味わえる体験です。
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滝つぼへ向かう観光船 -
激しい水しぶきに包まれる船上
大自然と人間の知恵が交差する地
ナイアガラにはもう一つの顔があります。19世紀末、この地では発明家ニコラ・テスラの多相交流技術とウェスティングハウス社の取り組みにより、大規模な水力発電と長距離送電が実用化されました。ナイアガラで生まれた電力が離れた街の明かりや路面電車を動かしたことは、二十世紀初頭の五大湖周辺の工業化を支えただけではなく、交流方式の有用性を広く示し、現代の電力網へとつながる大きな転換点となりました。今日、滝を見下ろすクイーンビクトリア公園には、電気の時代を切り開いたテスラをたたえる銅像が、水面を見つめるように立っています。
インフラやエネルギーの仕事に携わってきた私にとって、ナイアガラの滝は大自然の前での人間の小ささと、自然の厳しさと向き合いながら暮らしを築いてきた人間の創意工夫を同時に感じられる場所です。そして何より、赴任後初めて「本当にカナダに来たのだ」と実感した、忘れがたい場所でもあります。全身びしょぬれになるおまけ付きではありますが……!
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