Special Feature
特集

未来創造(新産業創出/地域創生) ~当社の取り組み状況~

中期経営戦略2024では、「未来創造(新産業創出/地域創生)」として、

  • (1)再生可能エネルギーなどの地域エネルギー資源の活用
  • (2)カーボンニュートラル(CN)新産業の創出
  • (3)地域課題の解決を通じた魅力ある街づくり

をテーマとして、パートナーや自治体と共に、社会産業課題の解決
に貢献していくことを目指しています。
本特集ページでは、当社の取り組み状況についてご紹介します。

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国内洋上風力発電事業における国内・
地域
サプライチェーン構築と地域の
活性化につながる
共生策について

概要

当社は、三菱商事エナジーソリューションズ株式会社を代表企業とするコンソーシアムを通じて、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に基づき、下図3海域における洋上風力発電事業者として選定されました。

当社の狙い

当社は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの主力電源化の切り札として期待される洋上風力発電事業に関し、わが国における同産業の成長・競争力の強化に貢献するとともに、広範で強靭な国内・地域サプライチェーンを構築することで雇用機会の創出と国内・地域経済の活性化を目指します。日本のカーボンニュートラルの実現を支えていくというビジョンを各地域の皆さまと共有しつつ、競争力のある再生可能エネルギーの供給を通じて、国内産業基盤全体の成長・競争力強化にも貢献していきたいと考えています。

また、コンソーシアム構成企業とも連携し、各地域のさまざまな方と意見交換を行い、地域のニーズを踏まえて、持続可能な漁業支援体制の構築、地域産業の振興と雇用の創出、住民生活の支援など、地域の活性化につながる共生策を練り上げてきましたが、今後はAmazon.com, Inc.、NTTアノードエナジー株式会社、キリンホールディングス株式会社をはじめとする協力企業と共に、これら共生策の実行に取り組んでいきます。

国内・地域サプライチェーン構築に向けた取り組み

国内・地域サプライチェーンの構築

洋上風力発電事業の開発・建設・運営に当たり、新たな産業・雇用を創出するため、地域の自治体・経済団体と協調し、元請企業のみならず、地域の企業・港湾・金融機関等とも連携して取り組んでまいります。

地域の活性化につながる共生策の実施

地域の関係漁業者に対する「持続可能な漁業支援体制の構築」、漁業以外の産業領域に対する「地域産業の振興と雇用の創出」、「住民生活の支援」の3本柱により、立地地域全体への貢献を目指します。

具体的な取り組み

開発・建設・運営の事業期間全体で国内・地域サプライチェーンを構築し、国産比率の向上を目指します。

マッチングイベントや人材育成プログラムを継続的に行い、地元企業との連携を目指します。

地元でのマッチングイベント開催の様子
イメージ図
洋上風車構造
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革新的な脱炭素技術の社会実装を加速させる
Breakthrough Energy Catalystへの参画

概要

脱炭素事業の社会実装を加速

当社は、革新的な脱炭素技術の社会実装を加速させるBreakthrough Energy Catalyst(ブレイクスルー・エナジー・カタリスト、以下、「BEC」)への出資参画を決定しました。当社は1億ドルの出資を通じて、アジア域内の企業として初めてBECに参画します。

BECは世界的な篤志家であるビル・ゲイツ氏が2015年に設立した、脱炭素に関する投資および慈善活動などを行うBreakthrough Energyが新たに開始した取り組みです。研究開発を終えた脱炭素技術を用いたプロジェクトに対する投資などを行い、脱炭素技術の社会実装を加速させることを目的としています。BECは、民間企業および慈善団体からの資金提供に加え、グリーン製品需要家による製品引取支援や政府機関からの支援を有機的に結び付ける“Catalyst(触媒)”となり、カーボンニュートラル社会を実現するために必要となる商業化直前の革新的な脱炭素技術のスケールアップを支援します。

当社の狙い

カーボンニュートラル社会の実現に向けて

当社は、2021 年10 月に「カーボンニュートラル社会へのロードマップ」において温室効果ガス排出量の削減目標やEX(エネルギー・トランスフォーメーション)関連投資に関する方針を策定しました。資源・エネルギーをはじめとするさまざまな事業に携わってきた当事者として、地球規模の共通課題であるカーボンニュートラル社会の実現に取り組んでいます。当社は、再生可能エネルギー事業や水素・アンモニア・メタネーションなどを活用した次世代エネルギーの導入検討などに着手していますが、カーボンニュートラル社会への移行およびその実現のためには、新技術とイノベーションの活用が必要不可欠であると認識しています。

革新的技術の普及を支援

当社は、BEC への参画を通じてカーボンニュートラル社会の実現を支える革新的技術の普及を支援し、人々の暮らしに対する安心・利便性を損なうことなく、さらなる環境負荷の軽減を実現したいと考えています。当社が有する知見やネットワークを最大限活用し、鉄鋼・航空・金融・エネルギーなど、さまざまな分野で活動する他参画企業と協業し、カーボンニュートラル社会への移行・実現に貢献していきます。

注力分野

4つの分野に注力

現在BECが対象とする分野は(1)クリーン水素、(2)長期エネルギー貯蔵(Long Duration Energy Storage)、(3)持続可能航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)および(4)直接空気回収(Direct Air Capture)であり、将来的には脱炭素化を推進する上で重要となるその他技術にも対象領域を広げることを想定しています。これら対象領域は、当社が進めるEX戦略および「カーボンニュートラル社会へのロードマップ」を具体化させていく上で極めて重要な技術領域です。

Breakthrough Energyの全体イメージ
Breakthrough Energyの全体イメージ
Breakthrough Energy 概要
創立
2015年
本社
米国ワシントン州シアトル
事業内容
ビル・ゲイツ氏により設立された、イノベーションを通じて気候変動問題の解決に取り組む組織。世界中のパートナーとの協業を通じて、気候変動危機を回避するために必要な脱炭素技術への投資や技術開発、商業化およびスケールアップ支援を行う。
Breakthrough Energy Catalyst 概要
創立
2021年
本社
米国ワシントン州シアトル
事業内容
政府機関、民間企業およびイノベーターと協力し、有望な 脱炭素技術である、クリーン水素/長期エネルギー貯蔵(Long Duration Energy Storage)/持続可能航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)/直接空気回収(Direct AirCapture)の地球規模での迅速な商業化を行う。
パートナーとの共創を通じたスピード感のある社会実装

低・脱炭素化の推進は喫緊の課題であり、地球規模でスピード感をもってこれに取り組む必要があります。そのためには、全く新しい脱炭素技術の開発のみならず、すでにR&Dを終えた技術を早期に社会実装へと移行させる、スケールアップ段階におけるイノベーションも重要と考えています。

当社は、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、すでに次世代エネルギーなどのEX関連事業開発も推進していますが、これらの取り組みを補完し、さらに加速させるべく、官民連携を通じて革新的な脱炭素技術のスケールアップに取り組むBECへの参画を決定しました。

当社は、アジア初のアンカーパートナーとしてBECに参画しますが、BECを通じて支援する脱炭素コア技術のアジアでの普及に主体的に貢献し、規模感のある事業創出につなげていきたいと考えています。

天然ガスグループCEO西澤 淳
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産業DX部門の新設

EXやDXの取り組みをそれぞれ単独で行うだけでなく、当社の持つ総合力を踏まえ、EX・DXの一体推進により、新産業創出と地域創生に取り組んでいく構想です。当社にはDXによる課題解決が必要となるリアルな事業現場が数多く存在します。これらの事業現場に対してDX機能を提供することで物流最適化や生産性向上を実現し、事業の価値を向上させて、産業全体の発展と豊かな地域社会の実現に貢献していきます。このDX戦略を加速度的に推進するため、2022年7月1日付けで産業DX部門を新設しました。

当社の総合力を結集することで、デジタルの力で未来を形にしていく
CDO(兼)産業DX部門長平栗 拓也

産業課題・社会ニーズに真に向き合い、リアルとデジタルの融合による課題解決を通じて、産業全体の発展と地域色豊かな未来社会の実現に貢献したいと考えています。

当社が有する幅広い事業知見を活かした産業横断型 DX機能を開発し、サービスとして提供することで、産業自体の価値向上に貢献していきます。そして、産業・企業・地域コミュニティなどが有機的につながり、共存・共生できる「産業横断型デジタルエコシステム」の構築により、産業・社会全体の生産性向上を実現し、持続可能な価値創造を目指します。

当社の総合力を結集することで、デジタルの力で未来を形にしていきます。

  • デジタル事業部
    ■ DXサービス事業 ■DX事業開発

    デジタル事業部は、DX機能の提供を通じて当社グループのDX推進を支援し、成果につなげるとともに、DXイネイブラーとしての事業拡大を目指しています。また、こうした取り組みを基盤に、新規事業開発・投資や産業全体の価値向上につながるDXサービス事業を展開し、次世代技術の事業化や業界を超えた共創により、社会課題の解決に寄与していきます。

  • 電力・地域コミュニティDX部
    ■ B2C顧客基盤構築、地域創生事業

    電力・地域コミュニティDX部は、当社グループの持つ商材とネットワークを掛け合わせた生活者向けリテイルサービスの開発・提供を推進しています。デジタルとリアルを融合し、電力をはじめとした既存サービスと組み合わせることで、さらなる付加価値向上を目指します。また、地域に根差したサービスの提供を通じて地域課題の解決と地域経済の活性化を両立させる「自立分散型コミュニティ」の創生に向けて取り組んでいきます。

  • インダストリーDX部
    ■ DXによる高効率B2Bオペレーション事業の開発

    インダストリーDX部は、産業・企業が抱えるオペレーション上の課題解決に資するソリューションを開発し、プラットフォームとして提供していくことを目指します。そのために必要な技術を有するパートナー企業の開拓・連携を推進するとともに、まずはロジスティクスとモビリティ分野を主要ターゲットに事業展開に注力します。

  • サービスDX部
    ■ DXによるB2Cサービス事業の開発

    サービスDX部は、フィンテックを活用したビジネスモデルの構築をはじめ、自治体や住民とのタッチポイントを活用した金融、不動産などのデジタルサービス開発を推進しています。当社グループの内外と幅広く連携し、将来の柱となる事業の構想、実現を目指します。

倉敷市と地域振興に関する連携協定を締結

当社は、本年5月に公表した「中期経営戦略2024 MC Shared Value(共創価値)の創出」において、EXとDXの一体推進による地域創生を掲げ、便利で活気のある自立分散型コミュニティづくりに取り組んでいます。

倉敷市と地域振興に関する連携協定の締結について

岡山県倉敷市は、環境にやさしく都市機能が充実した、安心して暮らせる持続可能なまちづくりを目指しており、産業活性化や新産業創出、SDGsの推進など、デジタル技術も活用して次世代につながる取り組みを積極的に進めています。今般、当社と倉敷市は、地域振興を目的としたさまざまな分野での先進的な取り組みについて研究を行うため、連携協定を締結しました。

連携項目
  1. デジタルを活用した地域産業の活性化に関すること
  2. デジタル田園都市国家構想の実現に向けたデータ連携基盤の活用に関すること
  3. モビリティ、インフラ等へのデジタル活用による市民サービス向上に関すること
  4. 地域の持続可能なエネルギー社会の実現に関すること
  5. その他地域振興に関すること
地域振興に関する連携協定の締結式にて
連携協定を締結して研究を行う具体的なイメージ
豊かな自然と紡がれた歴史・文化を次世代へ繋ぎ人と人との絆と慈しみの心で地域を結ぶまち倉敷