三菱商事

Global Now

今、私たちはどのような社会に生きているのか。

世界中で起きている出来事をシリーズでお伝えします。

Ira Block/National Geographic Stock
都市交通

都市化がもたらす新たな問題

新興国など経済発展著しい国々の多くがぶつかる大きな難問、それが「交通渋滞」だ。安定的な経済成長に伴う個人所得の伸びや地方からの人口流入は、都市部で自動車を所有する家庭を爆発的に増やす。それに対し道路整備が追いつかないこと、あるいは頻繁に車両故障や交通事故が起きること、これらが慢性的な渋滞を引き起こす。バングラデシュの首都ダッカでは、空港から市街地までのたった10キロメートルの道のりが2時間以上かかるという。渋滞に頭を抱えている政府は少なくない。

都市部の渋滞緩和に向けた切り札として活用されているのが地下鉄の整備である。渋滞だけでなく、大気汚染を減らせるメリットもある。また乗り合いバスや自家用車に比べはるかに多くの人数を運ぶことができ、エネルギー効率も極めてよい。今では50カ国、150以上の都市で地下鉄が走る。

2010年にロンドンを抜き、地下鉄の総延長距離で世界一となった中国・上海市では、延べ440キロメートルにわたる地下鉄網がすでにできており、20年までにその距離を880キロメートルまで拡大する計画だという。

世界初の地下鉄がロンドンにできてから約150年。地下鉄が活躍する場は広がる一方だ。

日本において1人を1km運ぶのに消費するエネルギーの比較(単位:kJ/人km)

PROJECT

ドバイ・世界最長の無人運転鉄道

三菱商事は、中東湾岸諸国初の都市交通システムで、全長76キロメートルという世界最長の無人運転鉄道、ドバイメトロの設計から建設、運転開始までを一括受注しました。途中で何度も計画が変更される中、プロジェクトの中心的存在となって、短い納期を守り、成功に導きました。現在、ドバイメトロは1日平均約30万人に利用されています。

三菱商事は、エジプトのカイロメトロ、インドのデリーメトロなどでも大事な役割を果たし、地域生活の向上に貢献しています。

2012年5月20日 朝日新聞「GLOBE」掲載
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