三菱商事

Global Now

今、私たちはどのような社会に生きているのか。

世界中で起きている出来事をシリーズでお伝えします。

ブラジル イパネマ農園
コーヒー

世界をつなぐ魅惑の実

世界のコーヒー豆の約3分の2を占めるアラビカ種は、アビシニア(現エチオピア)原産といわれる。6世紀ごろ、この地に住むヤギ飼いの少年カルディがあることに気づいた。コーヒーの赤い実と緑の葉を食べたヤギの群れは、老いも若きも弾むように元気になる。カルディは不思議に思って自分でも食べてみたところ、ものすごく元気が出た。

これを聞いた近くの修道院では、修道僧たちに茹でて飲ませて居眠りを防いだ。眠らぬ修道院はあっという間に国中で話題となった。これがコーヒーの起源と言われる伝説の一つだ。

日本に伝来したのは江戸時代。オランダ人が長崎・出島に持ち込んだのが最初とされる。1858年の日米修好通商条約で正式に輸入が始まった。1911(明治44)年、銀座にできた喫茶店「カフェーパウリスタ」は、本格的なコーヒーを1杯5銭という破格の値段で提供し、人気を博した。菊池寛や佐藤春夫なども常連客で、「銀座パウリスタでブラジルコーヒーを飲むこと」が「銀ブラ」の語源ともいわれる。今では40カ国以上からコーヒー豆を輸入し、日本は世界4位のコーヒー消費量を誇る。

国際コーヒー機関が定めるコーヒーの新年度は10月に始まる。コーヒーの豊かな香りとともに産地や歴史に思いを馳せたい。

コーヒーの国別消費量 トップ5

PROJECT

美味しいコーヒーをお届けするために

三菱商事は、世界最大のコーヒー生産国ブラジルをはじめ、コロンビア、グアテマラ、ベトナム、エチオピアなど、さまざまな国からコーヒー生豆を買い付けています。中でもブラジルでは自ら精選・選別し、日本や欧米などの消費国向けに輸出しています。2012年には世界最大級のコーヒー農園であるブラジル・イパネマ農園に出資しました。ここでは使用農薬や生産履歴の管理体制を整備し、欧米の認証機関で環境・CSRに配慮していると認められたコーヒーを作っています。

2012年10月21日 朝日新聞「GLOBE」掲載
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