三菱商事

Global Now

今、私たちはどのような社会に生きているのか。

世界中で起きている出来事をシリーズでお伝えします。

海洋資源開発

海に眠る未来の資源

海底を地球内部のマントルまで掘り進めようとする「モホール計画」。この途方もない計画が、ニューヨークで開かれた第1回国際海洋学会議で発表されたのは1959年のことだった。宇宙開発競争で当時のソ連に遅れをとったアメリカが、地球科学での挽回を期して始めた計画だ。そして61年、石油掘削船カス1号により世界初の深海掘削が行われる。

モホール計画は資金不足のため66年に一度頓挫する。しかし、2年後に深海掘削計画(DSDP)が始まり、75年からは日本が参加する国際プロジェクトに発展。現在も統合国際深海掘削計画(IODP)として、日本の地球深部探査船「ちきゅう」などが活躍している。これらの計画で得た技術が、今日の海底油田開発に貢献しているのは言うまでもない。

原油価格の高騰や燃料需要の増加などエネルギーがひっ迫する近年、海底に眠る資源への期待度は増す一方であり、新技術を駆使した効率のよい開発が求められている。海洋大国の日本が、世界に先駆けて海洋資源開発のための新技術導入や実用化へ踏み出すことは、エネルギーの90%以上を輸入に頼る自国を救うだけでなく、世界のエネルギー地図を変えていく可能性を大いに秘めている。

世界の原油・天然ガス消費量(2011年)

PROJECT

インドネシアでの地熱発電

近年、海底に眠る原油・ガスの開発において新しい技術が次々と生まれています。三菱商事は国内外のパートナーとともに、ブラジル沖の深海油田などで、掘削する船やFPSOなどへの融資・保有・傭船・操業・保守事業を行っています。商社の総合力を生かして、世界各地の海洋資源を生産地から消費者に届けています。

※ FPSO…海上で石油・ガスを生産し、生産した原油やガスを設備内のタンクに貯蔵し、輸送用タンカーへ直接積み出す設備。

2013年4月21日 朝日新聞「GLOBE」掲載
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