三菱商事

Global Now

今、私たちはどのような社会に生きているのか。

世界中で起きている出来事をシリーズでお伝えします。

地熱発電

エネルギー供給の救世主として

ワインで有名なイタリア・トスカーナ地方にあるラルデレロ地帯。ここでは19世紀前半より地名の由来となるラルデレロ家によってホウ酸が生産されてきた。ホウ酸は防腐・殺菌効果のある結晶で、高温の地下水をボイラーで蒸発させて抽出する。ラルデレロ家はホウ酸の大量製造に成功し、ヨーロッパ市場を席巻した。ホウ酸を使った「ベビーパウダー」はここから世界に広まったという説もある。

しかし燃料として使ってきた森林が枯渇し、次第に地中の蒸気を使ってボイラーを熱するようになった。これが地熱発電の原点とされる。1904年、イタリア人のピエロ・ジノリ・コンティは地熱を使って五つの電球をともし、世界初の地熱発電に成功した。13年には世界初の地熱発電所が建設され、今もなお多くの発電所が稼動する。

クリーンなエネルギーとして活用が期待される地熱発電。超高温の熱水や蒸気でも腐食しないタービンの製造など、日本のものづくり技術は欠かすことができない。世界で使われる地熱発電用タービンの約8割は日本製だという。エネルギー供給の救世主としての地熱の大いなる活用は、そう遠くない未来に見えている。

世界の地熱発電量(単位:GWh/年)

PROJECT

インドネシアでの地熱発電

インドネシア・ジャワ島で、三菱商事は地熱発電所の運営・開発に参画しています。ジャワ島西部バンドン市郊外に位置するワヤン・ウィンドゥ地熱発電所は約1万3,000ヘクタールの契約鉱区をもち、発電規模42万キロワットの世界最大級の規模を誇ります。広大な茶畑のなかにあり、環境に配慮した美しい発電所としても知られています。三菱商事はインドネシアにおける地熱発電事業の開発・運営を通じて、再生可能エネルギーの普及に貢献していきます。

2013年5月19日 朝日新聞「GLOBE」掲載
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