三菱商事

Global Now

今、私たちはどのような社会に生きているのか。

世界中で起きている出来事をシリーズでお伝えします。

シェールガス

エネルギー地図を変える「革命」

シェールガスのシェールは、日本語で頁岩(けつがん)という。泥が固まった岩石で、パラパラと本の頁(ページ)のように薄く割れることから名付けられた。地下2千~3千メートルの頁岩層に眠るこのガスが、世界に「革命」を起こしている。

革命のきっかけは、アメリカ・テキサス州の小さなガス開発会社が作ったとされる。非常に硬い頁岩層からシェールガスを効率よく取り出すことは、採算に見合わないと誰もが考えていた。しかしこの会社は20年もの研究の末、ついに新技術を開発する。水を大量に注入し割れ目をつくる「水圧破砕」と、水平方向に眠るガスにたどり着く「水平坑井(こうせい)」という2つの技術を組み合わせたのだった。この技術革新により、飛躍的にガス採掘が進んだ。

シェールガスは全世界で埋蔵が確認されているが、日本を含むアジア各国はカナダのガスに注目している。地理的に近い上、カナダ政府がアジア市場への輸出に積極的なことが理由だ。カナダ西部で産出したガスを、ロッキー山脈を越えて太平洋側にパイプラインで運びアジアへ輸出する。このような壮大な計画が現実となる日も近いかもしれない。

天然ガスの埋蔵量はシェールガスの登場で4倍以上に増えたといわれる。「革命」は、世界のエネルギー地図を劇的に塗り変えていく。

PROJECT

カナダでの天然ガス開発プロジェクト

三菱商事は、シェールガス開発で注目されるカナダ西部のブリティッシュ・コロンビア州において、大規模な権益を取得してきました。2010年9月のカナダ大手のエネルギー会社「ペン・ウェスト・エクスプロレーション」による事業に続き、2012年には、世界有数のエネルギー会社「エンカナ」の事業に参加しています。これらのプロジェクトでノウハウを蓄積するとともに、日本の、そして世界のエネルギー需要に応えるべく、今後も様々な取り組みを進めていきます。

2012年12月16日 朝日新聞「GLOBE」掲載
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