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あなたの心を奮い立たせた言葉は?

無知の知

北里 萌 電力ソリューショングループ
ユーティリティーリテイル本部
電力トレーディング部
(ElectroRoute Japan 株式会社 出向)
(2024年11月取材当時)

Q.
その言葉にまつわるエピソードは?

大学院進学を思い立った際に頭に浮かんだ言葉で、仕事においても大切にしている言葉です。神託を受けたソクラテスが、自分より賢い者を探す中、自らが知らないことを自覚していることで、自らが他者よりも賢明であると悟ったエピソードが由来。自分が知らないことを受け入れることが、学びの一歩となり、前に進む原動力となるということです。勉強も仕事も、物事の全体像や真理を全て理解する人はそういません。また、今正しいといわれていることが、20年後も正しいとは限りません。実生活で答えのない問題に取り組む際、この言葉を思い出し、誰にも多かれ少なかれ見えていないパズルのピースがあり、思考の途上にあるのだと思うと、前に進むエネルギーが湧いてきます。立場や固定概念にとらわれず、自分なりの問いを持つことで、社会にとって意義のある仕事をしたいと思っています。

Q.
現在の仕事のやりがいは?

電力トレーディングの事業に携わって3年ほどになります。最初の1年は事業投資先の管理業務を行っていましたが、事業現場に身を置いていないために電力を市場で取引するイメージが湧かず、理解が深まらないことに苦しみました。アイルランドで1年間、電力トレーダーとしてのトレーニングを受ける機会をもらったことで、取引の流れや事業への理解が進み、仕事が一気に面白くなりました。電力は、需給バランスが取れていないと、安定供給ができません。再生可能エネルギーの比率が増えると、天候の変化で日照量や風量などのブレが生じ、需要と供給が乱れやすくなります。市場取引を通じて電力の需給バランスを整えることができる電力トレーディング事業は、今後より重要な機能になると思います。まずは、再生可能エネルギーに関心のある、より多くの企業にElectroroute Japan株式会社の取り組みを知っていただくことが目標です。

Q.
次なる挑戦、どのような世界を実現したい?

現代社会が抱えるさまざまな課題のうちの一つだけでも、その根本に向き合って、考える力を身に付けたいです。課題として認識されていても、複雑であるが故に、現状維持に流されていることが多いと感じます。私個人にできることは限られますが、変化の中、あるべき姿は何か、自分に役に立てることはあるのか。常に見聞を広め、考え、行動に移しながら、三菱商事のネットワークや知見も使いながら、周囲の人と共に、目の前の仕事に取り組み、世の中の役に立ちたいと思います。

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略歴

2020年入社(都市インフラ本部 水事業部)。21年からは電力のトレーディング事業などを手掛けるユーティリティサービス部に異動。22年からアイルランドの電力トレーディング会社ElectroRoute Holdings Limitedへ三菱商事から初の電力トレーダーとして派遣。24年から同社の日本法人であるElectroRoute Japan株式会社へ出向し、現職。