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- あなたの心を奮い立たせた言葉は?
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難有ればこそ有り難し

坂井 宏行
社会インフラグループ
産業機械本部
建設ソリューション部
(2024年11月取材当時)
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その言葉にまつわるエピソードは?
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ふとしたきっかけで出合った言葉ですが、折に触れ思い起こします。入社5年目に担当したウズベキスタンの大型化学プラント建設プロジェクトは、まさに「難」の連続。世界に2カ国しかない“二重内陸国”の一つという地理的条件の中、例えば、大型機器の輸送に当たり、冬季に凍結する運河の閉鎖前に通過させたり、カスピ海から約1,700kmの土獏を事故・遅滞なく輸送したりと、切りがありません。十分に段取りしていても予想外のトラブルは発生し、工期を遅延させてはならないというプレッシャーも背負いました。しかし、同国政府、プロジェクトオーナー、パートナー会社含め、ステークホルダー全員が“案件の成功”という共通の目標に向かい、多くの問題を乗り越え何とか完工。本プラントから最初の製品が生み出された時には、涙があふれました。入社9年目には、中古建機のトレーディング会社へ出向し、マネジメントと営業を経験。全く異なる世界・ビジネスで、また一からの勉強です。しかし、「難有ればこそ有り難し」、社員皆で一丸となって過去最高益を達成しました。
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現在の仕事のやりがいは?
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建設ソリューション部の新規事業開発チームで、国内建設産業が抱える課題解決に向けた、デジタルを含む各種ソリューションの実現にチーム全員で日々奮闘しています。
近年、国内建設投資は堅調に増加しているものの、案件の複雑化による建設難易度の上昇や、建設労働人口の減少、さらには“2024年問題”や為替に起因する建築費の高騰に直面しています。その結果、発注者は「建てたいものを建てたい時に建てられない」、施工者は「建てたくても建てられない」という状況に陥っています。これらは日本経済に深刻な影響を及ぼしかねない問題です。三菱商事として、発注者・施工者双方の課題解決に貢献するために、関係者の方々へのヒアリングや議論の機会を得ながら、日々仮説を修正しソリューションを形にしていきます。「難」を解決し、業界に「有難き」ものが実現される世界を夢見て、前に進んでいきます。
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次なる挑戦、どのような世界を実現したい?
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建設ソリューション部のタスクフォースメンバーで議論し、“建設産業に関わるすべての人を幸せに Be Constructive and Innovative”というスローガンを掲げました。自分たちがどのような思いで三菱商事に入ったのか、何を実現したいのか、自分は何に幸せを感じるのかなど、多角的に深掘り、議論しこの言葉に至りました。社会のインフラを構築し、私たちの生活を支える「建設」に従事する全ての人が幸せになる世界を実現したい、との思いが詰まったスローガンです。これを実現するためには、地道な努力や信頼を得ることが重要であり、関係者との建設的な議論・調整も必要です。また、変革を率先して実行する意志や、イノベーションを起こす心意気も不可欠だと思います。そんな思いを“Be Constructive and Innovative”のフレーズに込めました。このスローガンに掲げる世界を部員全員で、また社内外の皆さんと共に実現していきたいと思います。
略歴
2012年入社(プラント・エンジニアリング事業本部 プラントプロジェクトユニット)。13年から三菱商事マシナリ株式会社へ出向し、プラント開発業務に従事し、14年からは実務研修でトルコに赴任。18年から約1年間、ウズベキスタンで肥料プラントのプロジェクトに現場責任者として駐在。21年に建機・レンタル事業部へ異動し、株式会社NDTへ出向、社長室長を務める。24年から現職。