MCの「ヒト」を知る Know MC's People
- あなたの心を奮い立たせた言葉は?
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Appreciation and Aspiration

濵部 莉彩子
S.L.C.グループ
金融事業本部 企業投資部
(株式会社丸の内キャピタル 出向)
(2024年11月取材当時)
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その言葉にまつわるエピソードは?
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どんな状況でも、「感謝と向上心」こそが、信頼関係の構築につながる。ニューヨークのプライベート・エクイティ・ファンド、One Rock Capital Partners, LLCへの出向を通じて学んだことです。本場のプロフェッショナルファームに日本人は私一人で、当初はどうしたらチームに貢献できるか、どうしたら自身が成長できるか、試行錯誤する日々が続きました。チームのためにできることを考え、自発的に同僚のサポートをしつつ、「こういう仕事がしたい」と発信し続けた結果、徐々に上司や同僚との信頼関係を築くことができ、より多くのプロジェクトを任されるように。ここでの仕事は人生の中でも大きな挑戦でしたが、チャレンジングな状況の中で出向期間後も続く関係を構築できたことは、一つの成功体験として自信にもつながっています。
思い返せば、信頼を得ることができたのもOne Rockの同僚や、三菱商事の営業グループを超えた先輩・後輩の支えに感謝し、その感謝を伝えながら、向上心を持って取り組んでいたからこそだと思います。高い目標に向かっていると、壁にぶつかってしんどい時もありますが、そういう時こそ成長していると信じて、向上心を忘れず“comfort zone”を飛び出す姿勢が、周囲からの信頼にもつながると感じました。
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現在の仕事のやりがいは?
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国内プライベート・エクイティ・ファンドの株式会社丸の内キャピタルで事業承継やカーブアウトなどのバイアウト投資を担当しています。事業の売却・買収という大きな意思決定に関わることから、多くの方の「事業に対する思い」に触れる機会が多く、それがやりがいの一つになっています。
事業承継の案件では、創業者の方が人生を懸けて育ててきた事業を、新たな成長フェーズの伴走者として引き継ぎます。創業者・経営陣・従業員の皆さまをはじめ、多くのステークホルダーの事業に対する思いに尊敬の念を抱くとともに、責任の大きさに身が引き締まります。普段は泥臭い業務も多くありますが、パートナーとして信頼いただき、本音で話せるような関係になれた時は、非常にうれしい気持ちになります。
また、新規投資では、知識のない業界を担当するケースもあり、ゼロから勉強しなければなりません。そんな時、三菱商事の多様な産業へのアクセスや、その業界に深く携わっているからこそ知り得る知見は大きな力になります。こうした総合力が、投資後のバリューアップにもつながり、当社のプライベート・エクイティ・ファンド事業の大きな強みになっています。仕事を通じて、当社の多様な事業に触れることができる経験は非常に貴重で、この点にもやりがいを感じます。
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次なる挑戦、どのような世界を実現したい?
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一つは、(株)丸の内キャピタルでのバイアウト投資を通じて、日本の産業を支援することです。日本、特に地方には、後継者不足や、ノンコア事業としての位置付け故にポテンシャルを持て余している企業がまだ多くあると感じています。また、日本では依然として、「ファンド」という言葉に抵抗感のある経営者の方もいらっしゃるように感じます。そうした企業の成長支援を通じて、ファンドとの協業をより身近に思っていただけるような世界を、チームメンバーと共に目指したいと考えています。
もう一つは、金融機能を通じて三菱商事の強みをもっと世界に発信することです。
世界中でさまざまな業界に深く入り込み、それぞれの業界の高い専門性を持った多才・多彩な人材が当社への帰属意識の下に集っていることは、それだけで大きな可能性を秘めていると思います。金融という機能が、当社の幅広いビジネス・知見・人材の価値を最大限に発揮する懸け橋となればうれしいですし、金融事業自体も当社の事業をもっと巻き込んで成長していけると思います。その実現のために足腰を鍛える意味でも、目の前の業務に全力で向き合っていきたいと思っています。
略歴
2018年入社(新産業金融事業グループ管理部)。海外不動産事業を会計・税務などの面から管理する業務に携わった後、20年から企業投資部。21年から米国のプライベート・エクイティ・ファンドOne Rock Capital Partners, LLCへ出向し、2年間の海外駐在を経て23年から現職。