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- あなたの心を奮い立たせた言葉は?
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Passion and Professionalism

淺野 修
金属資源グループ
金属資源グループCEOオフィス
(2024年11月取材当時)
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その言葉にまつわるエピソードは?
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好きな経済学者の言葉「Cool Head but Warm Heart」(冷静な頭脳と温かい心で社会に貢献しよう)を、ビジネスの世界に身を置く自分に向けて言い換えたものです。
私は、先進国だけでなく、途上国の人々にも貢献したいというパッションから三菱商事に入社しました。念願かなって、中南米の鉱山事業を担当した際、先輩から「お金を頂いて仕事をする以上、プロフェッショナルとして社会に貢献しなさい」と教えられ、プロとしての意識やスキルの大切さにも気付かされました。
これらは、ペルーの鉱山に出向中、コロナ禍に直面した際に大きな支えとなりました。非常事態宣言が発令され、国境は封鎖。医療機関は野戦病院と化し、知人も犠牲に。鉱山も操業を一時停止しました。本当に苦しい時期でしたが、ペルー人の同僚と一丸となって鉱山の事業計画を見直すなど、プロとして業務を全うしました。現地にとどまってくれた家族を含め、上司、同僚、皆で困難を乗り越えることができ、大きな自信につながりました。
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現在の仕事のやりがいは?
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金属資源グループの経営陣を補佐する部署で、経営陣が適切な意思決定を下せるよう、新規投資案件の審査、投資後の事業推進管理、投資ポートフォリオ戦略に関する業務を担当しています。
金属資源ビジネス、特に鉱山事業は、投資額が数千億円規模に達することが珍しくありません。また、投資先の地域コミュニティや自然環境、経済活動に大きなインパクトを与えます。ビジネスを行う際には、ステークホルダーに対する強い責任感と、鉱山事業や商品市場に対する深い理解に裏打ちされた、慎重な意思決定が常に求められます。ペルーの鉱山出向などで培った知見をフルに活用して、経営陣が適切な意思決定をできるよう補佐したいと考えています。その結果として、鉱山事業を通じて現地社会の発展に微力ながら貢献できることにやりがいを感じています。
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次なる挑戦、どのような世界を実現したい?
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地球上の一人でも多くの人が、毎日笑顔で快適に人生を全うできる世の中の実現に貢献したいと考えています。そのためにはさまざまなアプローチがありますが、私が担当してきた銅も、こうした世の中の実現に寄与するものです。銅は電気の伝導性が非常に高く、電気を使用するものには必ずといっていいほど使われ、私たちの生活から切り離せない重要な金属資源です。また、脱炭素社会に向けた再生可能エネルギー発電や電気自動車にも多く使われています。一方で、優良な銅鉱山は、私が出向していた銅鉱山がペルーの標高4,300mに位置しているように、事業環境が厳しい場所に存在することが多く、将来的には銅の供給が不足するともいわれています。だからこそ、三菱商事が出資する銅鉱山からの安定供給を実現し、一人でも多くの人の心に明かりをともしていきたいと考えています。
略歴
2012年入社(鉄鋼原料本部 鉄鉱石事業ユニット)。14年から約1年間、スペインでの語学研修を経た後、三菱商事本社・チリで銅鉱山の投資業務を担当。19年からはペルーの銅鉱山へ出向し、操業管理業務などに従事。21年に本社に帰任し、事業投資総括部で金属資源グループなどの投融資案件の審査業務を担当後、23年から現職。