気候変動 : 目標

主要GHG関連指数などの開示

三菱商事は、世界の平均気温上昇を今世紀末までに産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑えることを目指すパリ協定の目標を踏まえた温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標を設定し、同目標の達成に向けて諸施策を推進しています。当社では、連結ベースでのGHG削減目標を設定し、グループ各社と連携して、GHG排出量の把握と削減取り組み推進を連結ベースで進めています。

また、施策立案の基礎情報収集のために環境マネジメントシステム(Environmental Management System:EMS)を活用しており、2020年度には環境パフォーマンス調査システムの大幅なアップデートを通じて調査対象範囲を拡大するなど、継続的にGHG削減活動に関する定性・定量両面のデータ精度向上とタイムリーな把握に努めています。

目標

当社は、ポートフォリオの脱炭素化と最適化の両立を図り、MCSV(共創価値)の創出を推進していきます。そのために、脱炭素社会の実現に向けた以下2つの目標を掲げています。

① GHG排出量の削減目標

  • 多様な産業に携わる企業の責務として、当社の事業活動における温室効果ガス(GHG)の排出削減を着実に実行していきます。
  • GHG排出量は、2030年度に向けて、事業ポートフォリオの入替や再生可能エネルギー調達を主軸に、2020年度比「半減」から同年度比「30%減~半減」の幅を持った削減目標に改定しました。
  • 自社の排出削減と社会への貢献を一体とした経営戦略を推進し、2050年ネットゼロに向けた確かな進捗を促進していきます。

なお、当社は従来GHG排出量の算定に出資比率基準を用いていましたが、排出の責任範囲を明確にすることを目的に、2024年度実績より財務支配力基準に変更しています。また、現在実施している将来的なSSBJ基準適用に向けたGHGプロトコルに基づく算定精緻化を行っていますが、従来の目標対象に含まれる事業は引き続き削減目標の対象とします。詳細は以下の図をご参照ください。

これまでの取り組み

当社はGHG削減目標に対する進捗を継続的に把握・開示することで、全ての取り組みにおける脱炭素化の効果を明確かつ最新の状態で把握しています。2030年度までにGHG排出量を30%減~半減させるという目標に対して、直近の実績は以下の通りです。

温室効果ガス(GHG)排出量の削減計画とこれまでの実績
温室効果ガス(GHG)排出量の削減計画とこれまでの実績
※1 2024年度よりGHG算定基準の出資比率基準から財務支配力基準への変更等に伴いリステートを実施、またScope1・2の一部をScope3 カテゴリー15(投資)に区分変更。
※2 SSBJ基準適用に向けGHGプロトコルの財務支配力基準に基づく算定を精緻化したことに伴い以下の数値を改定。なお、今後も算定基準の改定や重要な当社算定方法の変更等が生じた場合は再算定する。
(1)従来Scope3 カテゴリー15としていた共同支配企業の排出量を、Scope1・2に変更。
(2)従来Scope1・2、Scope3 カテゴリー15として目標対象に含めていたリース資産の排出量をScope3 カテゴリー13(下流リース)に区分変更とするが、例外的に引き続き目標対象として算入。
(3)従来算定対象外としていたオペレーティングリースにかかる排出量を、Scope1・2に算入。
※3 SSBJ基準適用準備は現在も継続中、その他排出においても区分変更が必要となる可能性があることから過年度含む実績は区分変更せず、SSBJ基準を適用する2026年度実績より実施予定。
※4 2030年度目標のバウンダリーは基準年度を踏襲。GHG排出量削減目標に係る削減計画や施策は、技術発展・経済性・政策/制度支援などの進捗に応じて柔軟に変更。
※5 削減努力を進めた上でも削減目標未達の場合については、炭素除去を含めた国際的に認められる方法(カーボンクレジット等)でオフセットすることを検討する。
・2025年度以降の各年度の排出量は、基準年度時点で投資意思決定済みであった案件の稼働開始等により、前年度比で横ばいないし増加となる可能性がある。

② 発電事業における非化石比率

ポートフォリオの入れ替えや、燃料転換、新技術等の活用を通じて、2050年までに当社発電事業における非化石比率100%化を目指します。

Scope1・2

GHGプロトコルの財務支配力基準に基づき、子会社・共同支配事業分のGHG排出量を当社のScope1・2とし、関連会社分の排出量をScope3 カテゴリー15として実績を開示しています。なお、共同支配企業については従来Scope3 カテゴリー15として開示していますが、26年度以降は算定変更に伴い、Scope1・2としての実績開示を予定しています。

Scope3

当社排出量削減目標の達成に加え、バリューチェーン全体の排出 (Scope3) 削減も重要であると考えており、Scope3排出量のモニタリング・開示を行っています。
Scope3排出量は当社バリューチェーンにおける他者による排出であるため、その削減という社会課題に取り組むに当たっては、当社を取り巻くサプライチェーン上の幅広いパートナーとの協業が必要となります。
また、さまざまな産業に接地面を持ち多角的に事業を行う当社として、社会の脱炭素化に貢献する(削減貢献量を生む)事業に取り組むことが、結果として当社Scope3各カテゴリーの削減につながると考えています。
引き続きパートナーとの協業や社会の脱炭素化に貢献する事業を通じて、当社Scope3の削減に取り組んでいきます。

GHG排出量(Scope1・2・3)実績については、以下リンク先のESGデータをご参照ください。


【当社サプライチェーン上でのパートナーとの協業の取り組み】
カテゴリー/取り組み事例 詳細
カテゴリー1 持続可能なサプライチェーン行動ガイドラインの賛同確認 持続可能なサプライチェーン行動ガイドラインを通じてサプライヤーに対してGHG削減を含む地球環境への配慮を求めており、サプライチェーン調査の対象となるサプライヤーには毎年調査でガイドラインへの賛同を確認している
都市開発における低炭素素材の調達 都市開発事業におけるCO2削減コンクリート、低炭素アスファルト舗装素材等の採用
調達農園との協業 食品原料の輸入事業において、サプライチェーン上の農園における植林活動を実施
カテゴリー4 流通の効率化 食品流通でDXに取り組むことによる物流の効率化
カテゴリー10 CO2回収実証実験

複数のパートナーと共に製鉄所におけるCO2回収実証実験を実施

カテゴリー11 次世代燃料の取り組み 気候変動 : 取り組み

CCS/CCUSの取り組み

気候変動:取り組み
カテゴリー13

低排出建機のリース

建機リース事業における環境負荷の低いレンタル機械の導入

削減貢献量

当社の削減貢献の取り組み

当社は、削減貢献量を社会全体のGHG排出量削減における具体的な貢献度合い、および 当社が脱炭素社会への移行におけるビジネス機会をどの程度取り込めているかを示す定量的な指標としています。

また、さまざまな産業に接地面を持ち多角的に事業を行う当社として、社会の脱炭素化に貢献する(削減貢献量を生む)事業に取り組むことを通じて、当社Scope3各カテゴリーの削減に取り組んでいきます。

削減貢献量とは

削減貢献量とは、社会のGHG排出量削減に資する低排出製品・サービスなどが提供されることにより、既存製品・サービスなどが提供される場合(ベースラインシナリオ)と比較した時のGHG排出量削減・抑制に対する貢献分を定量化したものです。
当社が使用した基本的な削減貢献量の算定方法は下記の通りです。

【フローベース(ライフタイム)】

評価年に製造された当社商材のライフエンドまでのCO2排出量とベースラインシナリオのCO2排出量の差を算出し、削減貢献量を評価。EVなどの最終製品に必須となる素材などでの貢献を対象としています。

【ストックベース(単年)】

評価年に稼働している当社商材から創出される1年間の削減貢献量を評価。再生可能エネルギー事業などでの貢献を対象としています。

なお、当社は削減貢献量に、当社製品・サービスによる炭素回避量だけでなく、炭素吸収量や除去量も含めています。

削減貢献量の計算式
※現時点で寄与率の算定には限界があるため、考慮していません。

当社の削減貢献量

脱炭素社会への移行に資するビジネスのうち削減貢献量を生み出しており定量化可能な商材を評価対象としています。
なお、原則的に生産量や稼働量などから算出をしていますが、一部集計が完了していない販売量などは見通しを用いています。

計画中/稼働間もない削減貢献に資する案件例

CO2の排出削減に貢献する案件であるものの、現時点においては、稼働・提供が開始されて間もない、もしくは開始される直前であるなどの案件については、2025年度以降の推計値で算出しています。
今後、各案件の稼働実績を鑑みて、削減貢献量の実績値を算出していきます。

再生可能エネルギー発電事業
当社が着工済みの太陽光・陸上風力・水力・洋上風力の発電施設が計画通り稼働した場合、今後ストックベースで約47万トン/年の削減貢献量が増加することを見込んでいます。
  • 上記に記載の削減貢献量の推計値は実際の商材の稼働状況や販売状況によって、変化する可能性があります。

補足情報

【当社の削減貢献量算出における留意点】

  • 削減貢献量算出においては、可能な限り実績(見通し)値や公知情報を用いていますが、入手困難な場合には前提やシナリオを設定し算出しています。
  • 削減貢献量の国際的な議論・動向を踏まえ、算定の精緻化や開示の在り方に関する検討を引き続き行っていきます。

【参考とした主なガイドライン】

  • GXリーグ 「気候関連の機会における開示・評価の基本指針」(2023)
  • WBCSD/WRI 「GHG Protocol Corporate Accounting and Reporting Standard」(2019)
  • WBCSD/Net Zero Initiative 「Guidance on Avoided Emissions: Helping business drive innovations and scale solutions towards Net Zero」(2023)
  • 経済産業省 「温室効果ガス削減貢献定量化ガイドライン」(2018)
  • 日本LCA学会 「温室効果ガス排出削減貢献量算定ガイドライン」(2022)
  • (一社)日本化学工業協会 「CO2排出削減貢献量算定のガイドライン」(2012)