サプライチェーン・マネジメント : 方針・基本的な考え方
方針
世界中で多様な商品・サービスを取り扱う三菱商事にとって、持続可能なサプライチェーンの確保、人権の尊重は「持続可能で安定的な社会と暮らしの実現」「事業推進における人権の尊重」というマテリアリティの下で重要な経営上の課題の一つとなっています。
これらの経営課題などに基づき、当社では、サプライヤーの皆さまに対し、当社の人権・労働問題・地球環境などへの取り組みの方針となる「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」を制定し、当社の基本的な考え方をサプライヤーの皆さまと共有しています。
基本原則
当社は、「三綱領」を創業以来の企業理念とし、企業の社会的責任を履行する上でのよりどころとしています。「企業行動指針」においても、企業活動の展開に当たっては、諸法規や国際的な取り決めを遵守し、社会規範に沿った責任ある行動を取ること、また企業活動のあらゆる面において地球環境の保全に努め、持続可能な発展を目指すことを定めています。
持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン
- 方針
世界中で多様な商品・サービスを取り扱う三菱商事にとって、持続可能なサプライチェーンの確保は重要な課題の一つになっています。三菱商事では、人権・労働問題・地球環境などへの取り組みの方針となる「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」を制定し、三菱商事の基本的な考え方を全世界のサプライヤーの皆様へお伝えし、以下に定める項目への賛同と理解、実践を期待します。- 強制労働の禁止
すべての従業員をその自由意思において雇用し、また従業員に強制的な労働を行わせない。 - 児童労働の禁止
最低就業年齢に満たない児童対象者を雇用せず、また児童の発達を損なうような就労をさせてはならない。 - 安全で衛生的かつ健康的な労働環境の提供
従業員に対して、安全で衛生的かつ健康的な労働環境の提供に努める。 - 従業員の団結権および団体交渉権の尊重
労働環境や賃金水準などの労使間協議を実現する手段としての従業員の団結権及び団体交渉権を尊重する。 - 差別の禁止
雇用における差別をなくし、職場における機会均などと処遇における公平の実現に努める。 - 非人道的な扱いの禁止
従業員の人権を尊重し、虐待や各種のハラスメント(嫌がらせ)をはじめとする過酷で非人道的な扱いを禁止する。 - 適切な労働時間の管理
従業員の労働時間・休日・休暇を適切に管理し、過度な時間外労働を禁止する。 - 適切な賃金の確保
従業員には少なくとも法定最低賃金を遵守するとともに、生活賃金以上の支払に努める。また、賃金の不当な減額を行わない。 - 公正な取引と腐敗防止の徹底
国内外の関係法令を遵守し、公正な取引及び腐敗防止を徹底する。 - 地球環境への配慮
事業の遂行に際しては、地域社会及び生態系への影響にも考慮し、地球環境の保全に努める。特にエネルギー使用効率・温室効果ガス排出を含む気候変動課題・資源の有効活用・廃棄物削減 ・大気や土壌、河川の汚染・水使用に配慮する。 - 情報開示
上記に関する適時・適切な情報開示を行う
- 強制労働の禁止
- モニタリング
本ガイドラインの遵守状況を把握するため、サプライヤーとのコミュニケーションを深め、サプライヤーに対する定期的なアンケート調査を実施します。また、活動地域や事業内容から、必要と判断される場合には、サプライヤーを訪問し外部有識者からのアドバイスに基づき作成した監査項目を参照の上活動状況の確認、および現場での指導などを行います。 - 遵守違反への対応
本ガイドラインに違反する事例が確認された場合には、対象となるサプライヤーに是正措置を求めるとともに、必要に応じて、サプライヤーへの指導・支援を行います。継続的な指導・支援を行っても、是正が困難と判断された場合には、当該サプライヤーとの取引を見直します。
購買方針の見直し
当社では、当社の契約書※の中で当社の「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」を共有し、サプライヤーの皆さまに本ガイドラインを遵守することをお約束いただいています。また、サプライヤーの皆さまが本ガイドラインに違反したなどの場合には、サプライヤーの皆さまにかかる是正を請求することができ、是正がされないなどの場合には、契約を解除することができるとしています。当社は今後もサプライヤーの皆さまと環境・社会性面への配慮の徹底に向けて継続的に取り組んでいきます。
- ※売買契約裏面約款、委託販売契約、輸出委託販売契約、長期売買契約 など。
個別ガイドライン
当社は一部の商品に関し、個別のガイドラインを策定しています。
大豆に係る調達ガイドライン
木材・紙製品に係る調達ガイドライン
パーム油に係る調達ガイドライン
マグロ類に係る調達ガイドライン
アニマルウェルフェアに関する方針
当社グループは、畜産動物や養殖水生生物を快適な環境下で飼養し、ストレスや疾病を減らすことが重要であり、結果として、生産性の向上や安全な畜水産物の生産にもつながると考え、アニマルウェルフェアに配慮した事業に取り組むよう努めています。また、持続可能なサプライチェーンの確保に取り組む上でもアニマルウェルフェアへの配慮は重要な要素であると考え、当社の「持続可能なサプライチェーン調査」においてアニマルウェルフェアへの取り組み状況を確認するなど、サプライヤーの皆さまとも協働し、サプライチェーンにおけるアニマルウェルフェアの向上に努めています。
当社子会社のCermaq社は、アニマルウェルフェア・ポリシーを策定している他、幾つかの指標を設けアニマルウェルフェアが遵守されているかの確認を行っています。
2024年10月、Cermaq社はNGO Compassion in World Farmingから、Cermaq社のサーモンの人道的な屠殺行為に対するウェルフェアプラクティスが評価され、特別表彰を受けました。 詳細については、Cermaq Global Webサイトの魚の健康と福祉のページをご覧ください。

クロマグロ類に関する声明
当社は水産物を扱っている企業として、漁業資源の保全や次世代への水産物の供給確保が当社にとっての重要な役割の一つと考えています。当社のクロマグロ類に関する考え方や実施している取り組みの詳細は、当社の「クロマグロ類に関する声明」をご覧ください。