水資源 : 体制・システム
体制
所管役員 | 小林 健司(常務執行役員、コーポレート担当役員(CSEO)) |
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審議機関 (経営意思決定機関である社長室会の下部委員会) | サステナビリティ委員会 委員会で審議された水資源に関わる重要事項は、社長室会にて機関決定され、所定の基準に基づき、取締役会に付議・報告されています。 |
事務局 | サステナビリティ部 |
リスク管理
当社では、投融資案件の審査に際し、経済的側面だけでなくESGの観点も重要視して、総合的に審議・検討しています。水資源の観点では、排水規制・取水制限などの環境規制の遵守状況の確認に加え(規制リスクの検証)、取水に係る周辺住民との共生および地域社会や生物多様性への影響、気候変動が淡水環境に与える影響(物理的リスクの検証)などについて精査の上、意思決定を行う審査体制を整備しています。この際、特に水ストレスが高いとみられる地域での事業の場合、外部の視点も取り入れることを目的に、WRI(世界資源研究所)のAqueductを審査に活用しています。新規・撤退案件の審査のみならず、既存事業投資先の事業経営をモニタリングし、改善に資するように努めています。
また、環境・社会性面のリスクが高いと判断した商材については、当社の人権・労働問題・地球環境などへの取り組みの方針となる「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」の遵守状況を確認するためのサプライヤーに対するアンケート調査を毎年実施しています。その項目として、地域コミュニティや生態系への影響の配慮、河川などの汚染防止に関する方針・戦略・指針の有無、水使用量の削減目標設定やそのモニタリング有無など、水に関する調査を実施し、内容を確認しています。(詳細はサプライチェーン・マネジメントをご参照ください)。
水ストレス分析
水使用量の削減に向けて、全社的な取り組みに加えて優先すべき削減対象を特定するため、取水量の多い事業投資先を対象として、水ストレス分析を実施しました。
分析プロセス及び結果の一部は以下の通りです。
分析プロセス
当社事業投資先の取水量上位20社(当社支配力基準取水量全体の約99.2%を網羅)を特定。
WRI(世界水資源研究所)の水ストレス分析ツールAqueductを活用し、特定した20社の所在地が水ストレス地域に当たるかを調査。
高ストレス地域(High以上)に所在する事業において、水使用量の削減取り組みの実施や削減目標を策定。

分析結果
タイでタピオカ澱粉製造・加工事業を行う事業投資先が、Aqueductにおいて水ストレスHighに該当する地域に所在することを特定しました。メコン川流域に分類される同社の所在地は、渇水・干ばつ・不十分な排水処理のリスクが一般的に高い地域ですが、現地を訪問してマネジメントインタビューを実施、聴取した事業特性も考慮した上で、操業への影響をWWF Water Risk Filterを用いて分析したところ、操業リスクのスコアはLowとなりました。
水使用量削減に向けた目標の策定及び取り組み
同社では、生産量当たりの水使用量削減のため、水の再利用率10%を目標として設定し、精密ろ過膜などを逆洗処理した水の再利用に取り組んでいます。