顧客責任 : 方針・基本的な考え方
方針
責任ある広告・マーケティング
企業理念である「三綱領」の理念、企業行動指針、三菱商事社会憲章、三菱商事役職員行動規範に基づき、責任ある広告、マーケティングを実践しています。コーポレートコミュニケーション活動を通じて、正確な情報を正しくお知らせすることにより、ブランド価値の向上に努めると同時に、常に社会の声に耳を傾け、それらを謙虚に受け止め、適切に事業活動に反映していきます。
広告
顧客に対する三菱商事の視覚的イメージを統一し、適切な表現・内容・媒体で広告宣伝を行う目的で、留意事項、決裁報告手続きなどを定めた社内規程・ガイドライン・マニュアルが整備されています。特に、誹謗中傷、差別的表現、宗教や政治的信条、環境、第三者のプライバシー、秘密情報や情報公開、知的財産権に対して、十分な配慮をしています。また、グループ会社向けにもマニュアルを作成し、広告・宣伝活動に係る知見を共有できるようにしています。
マーケティング
マーケティングに係る法規(「不正競争防止法」など)の遵守、社内規程の制定・遵守、研修などを通して、他者の信用や名誉を傷つけず、お客さまに誤解を与えない分かりやすい情報・表現になるよう徹底し、責任あるマーケティングを実践しています。
食料関連ビジネスに付随する課題への対応方針・考え方
当社グループはさまざまな事業分野を持っていますが、中でも消費者に直結する事業として食品関連の事業を行っており、取り扱う商品も加工食品、生鮮食品、飲料などと多岐にわたります。この事業では、多様化・高度化する消費者ニーズ、安心・安全な食に対する関心の高まりに応えるべく、原料調達・加工から製品製造・流通、さらに小売りに至るバリューチェーンを構築しています。日々の生活に密着した事業を展開する上で、消費者に価値を認めていただける商品・サービスの提供がグループの成長に不可欠であり、当社関連会社の(株)ローソンなどのリテイル事業を通じて消費者から直接頂くフィードバックを、原料調達・加工、製品製造、流通事業に反映させることで、全ての事業を消費者起点で最適化し推進しています。消費者関連ビジネスを推進するに当たっては、付随する諸課題(以下、事例)を認識し、未然の防止ならびに影響の低減に向けた取り組みを実施します。
- 食の安全の確保
- 情報提供を通じた食の信頼性の確保・適切な提供(食物アレルギー情報の提供、20歳未満の者へのアルコール提供の防止など)
- 顧客の個人情報の適切な取り扱い
より良い栄養・医療へのアクセス
当社グループは、食料や医療関連サービスなどを消費者にお届けする事業をグローバルに展開しています。川上の原料調達から川下の小売りに至るまでの各事業領域において、消費者のニーズを捉えた商品・サービスを安定的に提供し、多様で豊かな生活の実現に取り組んでいます。食料や医療に関わりのある事業を行うという使命感の下、消費者の「安全・安心」の確保に取り組むことで、社会の要請に応える価値を提供し、より良い栄養・医療へのアクセスの実現に貢献しています。
より良い栄養へのアクセスの方針・考え方
先進国においては、ライフスタイルの変化による栄養の偏りや肥満などの生活習慣病患者の増加、高齢によって食べられなくなることが原因の低栄養化が社会課題となっています。また、新興国においては貧困などによって引き起こされる飢餓や低栄養が社会課題となっています。一方で人々の健康志向は進んでおり、それらの市場の開発と、新興国の新規マーケットの拡大はビジネスチャンスでもあります。当社グループはこうした社会的課題を認識し、原材料からリテイルまでのバリューチェーンを有している強みと食品化学事業の技術力を通して、例えば、低栄養になりがちな高齢者の栄養改善に努めるなど、消費者のニーズに応えた商品を開発、提供します。また、供給が途絶えることで消費者が不利益を被ることがないよう、安定的な供給に努めます。
より良い医療へのアクセスの方針・考え方
当社グループでは、S.L.C.グループにおいて医療関連事業を展開しています。日本国内においては、高齢化の進展、医療費の増大により、医療機関の経営環境の悪化や社会保障費の増大による財政の逼迫が喫緊の課題となっています。一方、新興国には、医療環境、制度の未整備により、質の高い医療サービスを利用できない人々がたくさんいます。当社グループは、長年にわたる医療関連事業で培ってきた知見、ネットワークを活かし、国内外で発生している諸問題に取り組んでおり、より良い医療を多くの人が受けられる社会の実現を目指します。
(株)ローソンにおける取り組み
アルコール製品の販売
当社関連会社である(株)ローソンでは飲酒などの生活習慣が原因の健康リスクを低減するために、ノンアルコール売り場の維持管理や未成年飲酒・飲酒運転防止、適量飲酒の周知を行っています。
厚生労働省のガイドラインでは「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を、1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性で20g以上と定義していますが、アルコール摂取量を20g以下とするためには、缶チューハイの標準サイズである350ml缶ではアルコールを7%以下に、コンビニで多く購入される500ml缶ビールはアルコールを5%に抑える必要があります。
厚生労働省のガイドラインに則しながら、おいしさを優先したチューハイやビールをローソンオリジナル商品として開発・販売しています。
広告、マーケティング、ラベリングに関するガイドライン
同社では、多種多様な商品・サービスを提供しているため、遵守すべき法令などや想定・対応すべきリスクも多岐にわたるという事業特性を有しています。このような事業特性の下で、健全で持続的な成長を目指すために、「内部統制システムの整備の基本方針」を定めています。また、同社のビジネスの生命線である商品の安全・安心を担保し、消費者からの信頼を確保するための体制整備を確実に行うべく、特に遵守に向けて周知を要する重要法令として消費者関連法 (食品表示法、食品衛生法、健康増進法など)が追加されたため、同社ではオリジナル商品のお弁当やお総菜に、商品名、消費期限、原材料名などの食品表示法を遵守したラベルを添付し、 情報を公開しています。さらに、販促資材を作成する際は、他者の知的財産権(商標権、著作権など)を侵害することのないよう、同社では知的財産法なども視野に入れながら表示のチェック体制をさらに強化すべく対応しています。
なお、これらについては、同社の統合報告書などを通じて公表を行っています。
コンプライアンスの遵守を目的とした社員研修
同社では、毎年全従業員を対象とした「コンプライアンス&リスク管理研修」を実施し、倫理意識や危機対応能力のさらなる向上を目指しています。また、入社時や管理職登用時の研修、職種別の研修、経営層の研修においても、コンプライアンスをコンテンツとして含んだ内容となっています。さらに、これらの研修をリスク状況の変化に応じて内容を見直しながら継続して実施することにより、あらゆる職位・職種の従業員が問題点を共有化して業務改善へとつなげるよう取り組んでいます。
なお、上記については、同社のWebサイトなどを通じて公表を行っています。
三菱食品(株)における取り組み
アルコール製品の販売
当社子会社である三菱食品(株)では、アルコールの過剰な摂取による悪影響を軽減するために、ノンアルコール商品の販売に積極的に取り組んでいます。
加工食品の広告、マーケティング、ラベリングに関するガイドライン、コンプライアンスの遵守を目的とした社員研修
同社では、広告に関するガイドラインを保有する他、食品表示法や景品表示法といった関連法規に係る社員研修を毎年実施しています。
品質マネジメント
同社では、(一財)食品安全マネジメント協会に賛同し、QMSや食品安全マネジメントシステム(Food Safety Managment System:FSMS)について情報を収集、製造委託先さまへの指導に役立てています。