サプライチェーン・マネジメント : 体制・システム

体制

三菱商事のサプライチェーン・マネジメントに係る取り組みは、コーポレート担当役員(CSEO)が管掌し、サステナビリティ部が方針・施策を企画・立案の上、サステナビリティ委員会で討議後、社長室会、取締役会において付議・報告される体制としています。

所管役員 小林 健司(常務執行役員、コーポレート担当役員(CSEO)(兼)金融アライアンス担当)
審議機関
(経営意思決定機関である社長室会の下部委員会)
サステナビリティ委員会
委員会で審議されたサプライチェーン・マネジメントに関わる重要事項は、社長室会にて機関決定され、所定の基準に基づき、取締役会に付議・報告されています。
事務局 サステナビリティ部

リスク管理・評価

当社サプライチェーン上の人権・環境デューデリジェンス

当社は、「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」を設け、持続可能なサプライチェーン・マネジメントに関する当社の考え方をサプライヤーの皆様へお伝えし、当社の方針と整合した取り組みの状況を調査するサプライチェーン上の人権・環境デューデリジェンス(「持続可能なサプライチェーン調査」)を毎年1回実施しています。当社の持続可能なサプライチェーン調査は、①対象商材・サプライヤーの特定・見直し、②年次アンケート調査の実施、③エンゲージメント、④調査結果のレビューと改善・開示の4つのステップから構成されています。

①対象商材・サプライヤーを特定

調査対象商材の特定にあたっては、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」や、その他の持続可能なサプライチェーン・マネジメントに関する国際規範を参照の上、当社のステークホルダーに与える可能性がある負の影響の1.深刻度(規模、範囲、是正困難度)と2.発生可能性(調達国別の状況、業界・地域の状況)などの観点を踏まえ、外部専門家の意見も取り入れながら、当社グループの取り扱い商材のうち、人権・環境リスクの観点から優先度を付け、調査対象商材・サプライヤーを特定しています。

A.当社取り扱い商材・事業スクリーニング
  • 730の当社グループの取り扱い商材・事業を約140のカテゴリーに分類し、人権・環境リスクの高い商材約50を選定。
  • スクリーニングに際しては、国連の「ビジネスと人権の指導原則」、米国労務相が発行している強制労働および児童労働に関する調達品及び調達国リストを参照。
B.スクリーニング結果のリスク評価
  • スクリーニングで選定した約50の商材を対象に「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」に定める項目に沿って人権・環境のリスク評価を実施。
  • さらに、国別の現代奴隷リスク等の発生可能性および深刻度も軸にリスク評価を実施。
C.社内外ステークホルダーとの協議、商材の特定
  • リスク評価結果を外部有識者の意見も踏まえて再整理し、調査の対象となる商材を特定(2024年度は以下の17商材)。
特定した調査対象商材
  • 優先順位付けを行った商材のサプライヤーを調査対象先として決定

②年次アンケート調査の実施

当社は、①のステップで特定した商材のサプライヤーに、年次のアンケート調査を実施しています。アンケート調査のフローは以下の図の通りです。

【調査のフロー図】
調査のフロー図

アンケート調査では、「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」の考え方に沿ってサプライヤーの取り組みを確認しています。

調査対象サプライヤー数に関するデータは、以下リンク先のESGデータをご参照ください。

③サプライヤーとのエンゲージメント

新規サプライヤー

新規サプライヤーの皆さまとは、「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」をWebサイト上で公開して共有しています。また当社の契約書において、「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」に沿った取り組みをお約束いただいています。

  • 売買契約裏面約款、委託販売契約、輸出委託販売契約、長期売買契約 など。
既存サプライヤー

お取引開始後は、サプライヤーの皆さまから「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」への賛同を定期的に取り付けるとともに、ビジネスと人権セミナーを通じて当社の考え方を共有しています。また、取り組み状況を継続的に把握するため、定期的なアンケート調査を実施しています。本ガイドラインに照らし、是正または改善すべき事項が確認された場合には、対象となるサプライヤーに是正・改善措置を働きかけるとともに、必要に応じて、支援を行います。継続的な働きかけ・支援を行っても、是正が困難と判断した場合には、当該サプライヤーとの取引を見直します。

④当年度取り組みをレビューし、次年度取り組み方針を企画

当年度の人権・環境デューデリジェンスに係る取り組みをレビューし、外部有識者、各営業グループのグループサステナビリティ責任者・グループサステナビリティマネージャーなどの社内外ステークホルダーとの協議を経て、次年度の取り組み方針をサステナビリティ委員会で討議後、社長室会、取締役会において付議・報告しています。また、サプライチェーン・マネジメントに関する方針は、当社ステークホルダーとの対話状況を踏まえ、随時見直しを検討しています。人権・環境デューデリジェンスの取り組みの内容は開示し、ステークホルダーの皆さまにご理解いただくこと、開示した取り組みへの示唆を次の取り組みに反映しています。当社サプライチェーン上の人権・環境デューデリジェンスを通じたサプライヤーとのコミュニケーションは、サプライヤーに当社のサステナビリティに関する考え方への理解を深めていただくきっかけとなっており、今後も積極・継続的に取り組んでいきます。

紛争鉱物への対応

2010年7月に成立した米国の金融規制改革法(ドッド・フランク法)では、米国上場企業は、製品に使用されている「紛争鉱物」が、紛争多発地域であり非人道的行為が報告されているコンゴ民主共和国やその周辺国で産出されたものか否かにつき合理的な調査を踏まえ、開示することが求められています。
当社は米国上場企業ではないため、同法における直接の報告・開示義務は負いませんが、企業活動における社会的責任を果たすため、錫、タンタル、タングステン、金のサプライヤーに対し、紛争鉱物調達に関するポリシーやガイドラインを設定しているか、また、供給商品がコンゴ民主共和国やその周辺国の武装グループの資金源となっていないことなどを確認し、武装勢力による人権侵害や紛争へ加担しないようにしています。

  • 同法では、錫、タンタル、タングステン、金の4つが「紛争鉱物」に指定されています。

調査対象サプライヤー数に関するデータは、以下リンク先のESGデータをご参照ください。

投融資審査

当社では、事業におけるサステナビリティ推進を実現すべく、サステナビリティ部長が投融資委員会のメンバーを務め、全社的な投融資審議プロセスで環境・社会面に与える影響も踏まえた意思決定が行われる審査体制を整備しています。投融資案件の審査に際しては、経済的側面だけでなく、ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点も重要視して、総合的に審議・検討しています。サプライチェーン・マネジメントの観点では、投資先のみならず、投資先の取引先(サプライチェーン)における人権配慮の状況に関するデューデリジェンスなどの精査を行い、審議・検討に役立てています。

エンゲージメント

対話・現場訪問

サプライヤーの中には、経営陣や従業員との対話や現場訪問を通じて、活動状況を確認している先もあります。対象となるサプライヤーは、アンケート調査の回答結果を踏まえ、人権・環境に関する課題を抱えている先や、好事例を実施している先から選定しています。
現場訪問を通じて、課題を抱えている先には当社方針や体制、施策の共有を交えた協議を行い、好事例を実施ししている先の取り組みは参考にすることで、当社グループやサプライチェーンにおける人権への取り組み強化に繋げています。

ビジネスと人権セミナーの実施

さらに、当社では、当社グループのサプライヤーを対象に毎年ビジネスと人権セミナーを開催し、当社の持続可能なサプライチェーンに関する考え方を共有するとともに、その年のテーマに応じた好事例の共有やQ&Aを通じた意見交換を行っています。