資源有効活用 : 取り組み
取り組み
リサイクル・循環型ビジネスの取り組み(飼料生産事業)
当社子会社の日本農産工業(株)では、「エコフィード※」を配合飼料の原料として活用することにより、食品リサイクル率上昇、飼料/食料自給率改善へ寄与することを目指しています。現在、廃棄されていた食品製造副産物、売れ残りや調理残渣などをリサイクルした乾燥エコフィードを約7,000MT/年、製パン、製菓工場からの副産物(パン粉、菓子粉)を約20,000MT/年使用しており、畜産用飼料の原料として活用しています。

- ※食品製造副産物(食品の製造過程で得られる副産物)や売れ残り(パンやお弁当など)、調理残渣(野菜カットくずや調理の際に発生するもの)、農場残渣(規格外農産物など)を利用して製造された飼料。
リサイクル・循環型ビジネスの取り組み(畜産事業)
大規模畜産会社である当社子会社の(株)ジャパンファームでは、地元産業から出る廃棄物(焼酎かす:醸造時の廃液)の再利用を核とした循環型環境モデルの構築に取り組んでいます。(株)ジャパンファームのある鹿児島県は、芋焼酎製造が有名ですが、従来、焼酎製造の過程で発生する焼酎かすの廃棄が課題となっていました。そこで、同社は地元酒造メーカーと連携して、焼酎かすを再利用した飼料を開発し、「ブランド豚」の飼育に利用しています。飼料への活用により廃棄時のコストとCO2の削減を実現するとともに、飼育している豚のふんを再利用し、肥料を製造しています。製造した肥料は地元農協などで販売し、農業に活用いただいています。
加えて、農場から排出される鶏ふんを燃料とし、「蒸気と電気エネルギー」を取り出し有効利用するバイオマス発電設備の維持・運用も行っています。発電した電力は工場の電源として利用し、発電用ボイラーで発生させた蒸気は工場内の熱源としても利用しています。焼却時に発生した燃焼灰は、有効なミネラル分を含む肥料の原料として外部へ販売しています。

循環型PET製造事業への参画
当社は、2020年1月に飲料ボトル用PET樹脂※1製造事業会社であるThai Shinkong Industry Corporation Ltd.(タイ新光社)に出資し、循環型PET製造事業に参画しました(当社持分34%)。
PET樹脂は優れた透明性やバリア性といった特徴を有し、回収・リサイクルシステムが構築されたリサイクル性の高い単一素材であり、飲料用ボトルや食品用容器、繊維など幅広い用途に使用されています。世界的に循環型社会への移行要請が高まる中、モノマテリアル化(単一素材での使用促進)の進展に伴い需要拡大が期待されるPET樹脂の製造能力拡張、およびケミカルリサイクル技術※2導入によるリサイクルPET樹脂製造事業への参画を通じて、「自然資本の保全と有効活用」に向けた取り組みを強化していきます。
プラスチックにおいても世界的な環境意識の高まりがある一方で、プラスチックは持続的な経済発展を支える優れた機能性を有する基盤素材です。当社は、このようなプラスチック事業の展開において、リサイクル率の向上、代替素材の開発などを通じて、循環型社会の実現に貢献することを目指していきます。

- ※1ポリエチレンテレフタレートの略称。
- ※2使用済みプラスチックを化学的に原料レベルまで分解し、再重合するリサイクル手法。リサイクルによる品質劣化を伴わず再資源化することが可能。