生物多様性 : 体制・システム

TNFD提言に基づく情報開示

三菱商事は、創業以来大切にしてきた「三綱領」の精神をもとに、事業を通じて「経済価値」「社会価値」「環境価値」の三価値を同時に実現し、誰もが幸せに暮らせる未来につなぐことを目指しています。当社にとって地球は重要なステークホルダーであり、世界中の多様な産業に関わっているからこそ、自然の恵み(=自然資本)を未来に継承する務めと役割を有しています。

脱炭素への挑戦はもちろん、豊かな自然を守り育むことは、社会の持続可能な発展に貢献するだけでなく、当社の事業基盤を強化し、MC Shared Value(共創価値)を次々と生み出していくための土台になります。当社はバリューチェーン全体で自然との接点を把握し、負の影響を低減するとともに、自然をより豊かな状態に回復させる「ネイチャーポジティブ」への歩みを推進します。

当社は、2022年3月のTNFDフォーラム参画以来、TNFD提言に賛同し、分析と検討を重ねてきました。今般、特定した自然関連のリスクと機会、および対応方針をご報告します。今後、ステークホルダーの皆様との双方向の対話を通じて、ネイチャーポジティブに向けた取り組みを推進していきます。

ガバナンス

1.ガバナンス体制

自然資本に関する依存と影響、リスクと機会、およびそれらへの対応は、サステナビリティを所管するコーポレート担当役員(CSEO)が管掌します。基本方針と取り組みは、サステナビリティ委員会で討議し、経営意思決定機関である社長室会にて付議・報告するとともに、取締役会規則に基づき、定期的に(年1回程度)取締役会に付議・報告する体制としており、自然資本に関する取締役会の監督が図られるよう体制を整えています。

さらに各営業グループでの取り組みを一層推進することを目的に、各営業グループの事業戦略立案の責任者が自然資本対応を含む営業グループのサステナビリティ責任者に就任する体制を構築しており、事業戦略・事業推進における自然資本関連対応を強化しています。

また、当社では社外有識者と各営業グループのサステナビリティ責任者が自然資本を含むサステナビリティについて意見交換する場として「サステナビリティラウンドテーブル」を設置し、そこで得られた示唆を施策立案や事業推進、社内審議に活用しています。

投融資案件の意思決定に当たっては、自然資本に係る基本方針や重要事項も踏まえた審議ができるよう、 サステナビリティ部長が投融資委員会のメンバーとして意見を述べ、会社として専門的な見地を踏まえた意思決定ができる体制を整えています。

2026年度における、自然資本に関する監督・管理プロセスは以下をご参照ください。

2026年度における自然資本に関する監督・管理プロセス

また、取締役のスキルマトリックスについては、2024年度定時株主総会招集ご通知、役員報酬におけるサステナビリティ項目の考慮については、コーポレートガバナンス(取締役の報酬など)をご参照ください。

2.人権の尊重・ステークホルダーエンゲージメント

当社は、世界中でさまざまな事業を展開するに当たって、人権の尊重はすべての事業活動を支える基盤であると考え、人権方針に基づいた人権尊重の取り組みを推進しています。

当社の事業における人権・環境への負の影響を特定・分析し、適切に対応するため、子会社・関連会社などを対象としたサステナビリティ調査や個別の対話を通じて、事業に関係するステークホルダーの人権・環境に係る事項を確認し、当社グループ全体で人権尊重・環境保護の取り組みを強化していきます。

新規の投融資案件の検討では、経済的側面だけでなく、人権・環境の観点も重視し、総合的に審議しています。また、事業が先住民族の権利に及ぼす影響を考慮し、新規事業の検討時から参画後まで関係するステークホルダーと対話を継続して行っております。

当社は、国連「先住民族の権利に関する宣言」や「独立国における原住民及び種族民に関する条約(ILO条約第169号)」などを支持しています。先住民族がいる地域での事業活動では、先住民が固有の文化や歴史を持つことを認識し、事業活動を行う国・地域の法律や国際的な取り決めに定められた先住民族の権利に配慮します。また、「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」を通じ、サプライヤーに対しても地域社会や生態系への配慮、人権尊重の実践を求めています。

戦略・リスク管理

1.TNFDフレームワークに従った当社分析の全体像(サマリー)

当社は、事業の自然関連課題を特定し評価するために、2022年度から2023年度にかけてTNFDフレームワークのベータ版を参考に、自然への依存度・影響度の大きい事業を対象にトライアル分析を実施し、開示しました。トライアル分析後のステークホルダーとの対話を通じて、財務的な影響を加味すること、当社全体の評価が見える分析・開示をすることを求めるご意見をいただきました。

これらの課題を踏まえ、2024年度からの分析においては財務上重要な子会社・関係会社の主要な資産とそのロケーションを特定し、周囲の自然環境と災害リスクを評価しました(Locate)。また、バリューチェーンも含めた各事業における自然資本観点での重要性(自然への依存度・影響度)をヒートマップ化しました(Evaluate)。こうして選定した「財務上の重要性」と「自然資本観点での重要性」の両方を持つ事業を対象に、リスク・機会の特定・評価(Assess)や対応策のヒアリング・目標設定(Prepare)を行いました。

当社のTNFD分析全体像
当社のTNFD分析全体像

2.TNFD分析対象事業の選定

当社は、今後、サステナビリティ情報を「非財務情報」ではなく、「サステナビリティ関連財務情報」として扱うことが益々重要になると考えています。今回のTNFD分析の対象範囲を選定する上で、サステナビリティ基準委員会(Sustainability Standard Board of Japan、SSBJ)のサステナビリティ開示基準も念頭に、財務的なマテリアリティの観点から、当社として財務上重要な※1本社事業・子会社・関連会社(以下、対象事業)を選出しました。財務上重要な事業は事業規模も大きく自然に与える影響も相対的に高くなりやすいことから、インパクトマテリアリティの観点にも整合していると考えています。

※1 主に財務・非財務情報において当社ポートフォリオの約7割をカバーする事業を選定しています。

3.Locate(重要な資産のロケーションを特定、周辺環境を評価)

対象事業における重要な資産とそのロケーション(緯度・経度)を特定し、周囲の自然環境を調査する各種TNFD推奨ツールや気候関連の物理的リスク(熱ストレス、台風、高潮、河川洪水、森林火災)の評価ツール※2も用いて、周囲の自然環境や災害リスクの状況を把握・評価しました。重要資産の分布マップについては以下をご覧ください。

※2 周囲の自然環境については、WRI AqueductのBaseline water stressやIBATの保護地域・KBA・STAR等の生物多様性データ、気候関連の物理的リスクについてはNEX-GDDP-CMIP6、Aqueduct Flood、IBRrACS、Global Fire Atlasを用いて評価。

当社グループの重要資産マップ
当社グループの重要資産マップ

4.Evaluate(ヒートマップ分析)

対象事業に対して、TNFD推奨ツールのENCORE等を活用し、バリューチェーンも含めた各対象事業における自然への依存度・影響度を算出し、ヒートマップ化しました。具体的には、自然への依存度は25種の生態系サービス(水の供給、気候調整、洪水の緩和など)ごとに、自然への影響度は13種のインパクト要因(水の使用、汚染物質の排出など)ごとに、それぞれ6段階でスコア化し、依存度や影響度の高い生態系サービス・インパクト要因を特定しました。その後、それらを統合・解釈し、当社にとって重要な自然資本関連トピックを洗い出しました。

下図は分析結果を営業グループごとに示したヒートマップです。当社の事業活動は多岐にわたり、事業ごとに重要な自然関連課題は異なります。しかし、今回財務上重要な事業やその資産を俯瞰して分析したことで、当社グループ全体として水資源や自然災害の緩和機能への依存度が相対的に高く、GHG排出を通じた気候変動への影響、汚染、土地利用・改変、廃棄物を通じた影響を特に注視すべきことが明らかになりました。

当社グループの重要な自然資本関連トピック
当社グループの重要な自然資本関連トピック

5.Assess(当社グループとして財務上重要なリスク・機会の特定)

Evaluateで抽出した各自然関連トピックの影響を受けやすい対象事業を、Locateにおける各事業の重要資産の評価結果、Evaluateの依存・影響評価を組み合わせて抽出しました。これらを自然資本観点で重要な事業と位置付け、TNFDのセクター別ガイダンス、同業他社事例、外部ツール※3による実際のリスク発現事例を参照し、まずは業種一般的なリスク・機会のロングリストを作成しました(8営業グループで計200項目、1営業グループあたり20-40項目程度)。リスク・機会のロングリストの項目について、財務的重要度と発生可能性をそれぞれ5段階で評価し、双方を考慮した「財務インパクト」を定量的なスコアで評価しました。

その後、業種一般的なリスク・機会のロングリストを、対象事業の主管部・子会社・関係会社と確認しながら財務インパクトの観点でスクリーニング・統合し、TNFDと親和性の高い欧州サステナビリティ基準の分類に基づきショートリスト化しました。

※3 世界中の企業やプロジェクトにおける「ESG(環境・社会・ガバナンス)リスク」に関するメディア情報等を提供するサービスRepriskを使用。

欧州サステナビリティ基準の分類に基づいたショートリスト
財務インパクトの評価について

財務インパクトの評価にあたっては、将来の世界観としてBAUシナリオ(現在状況が続く成り行きのシナリオ)を前提としました。TNFDのシナリオ分析ガイダンスではフォアキャスト・アプローチにより様々なシナリオを想定することが推奨されています。一方で、当社の事業は多岐に渡り、フォアキャスト・アプローチで想定するべき重要なシナリオが営業グループ毎に異なります。また、極端なシナリオを想定すると、シナリオの世界観に引きずられ、リスク・機会を過大に(または過少に)見積もってしまう懸念があります。各営業グループが現実的な感覚を踏まえた評価を行い、かつリスクと機会の見落としを防ぐために、BAUシナリオが妥当と判断しました。

財務インパクトの評価
短期・中期・長期の時間軸について

短期:既に経営計画書(主に1年サイクル)や投資判断などの戦略的意思決定に反映され、財務計画への織り込みが進んでいる翌期までの期間を想定。

中期・長期:2025年11月にTNFDが公表した「自然移行計画に関するガイダンス」に基づき、GBF(昆明・モントリオール生物多様性枠組)に沿った移行を目指すことが必要と認識。GBFが目指す「2030年までに生物多様性の損失を食い止め、反転させ、2050年までに自然を回復させる」という目標を念頭に、中期を2030年、長期を2050年までの期間と定義。

6.Prepare(当社グループとして財務上重要なリスク・機会に対する取り組み)

リスク・機会に対する取り組み

各対象事業が、Assessで特定した26項目のリスク・機会ショートリストに対し、現時点でどのような管理体制・対応・取り組みを行っているか確認しました。その結果、Assessで特定したリスク・機会に対し、対応済子会社の比率がリスクで77%、機会で53%であることが判明しました。

ここで得られたリスクと機会への対応を、自然への負の影響を管理し、プラスの貢献を最大化するための行動の優先順位を示すフレームワーク※4に従って「変革」「復元・再生」「軽減」「回避」「その他」のアクションに整理しました。

※4 Science Based Targets Network(SBTN、科学に基づいた目標設定ネットワーク)がミティゲーション・ヒエラルキーの原則に基づくアクションフレームワークとして提唱した「AR3T」を使用。

AR3Tに沿った対応策の概観
AR3Tに沿った対応策の概観

この整理を踏まえ、次の通り自然関連の機会・リスクそれぞれに対応した取り組みを継続していきます。

機会対応に向けた全社的な取り組み

機会については外部環境を踏まえた意思決定を要するものも多い一方、既に事業として取り組んでいるものもあり、引き続き営業グループと連携しながら機会の拡大に取り組んでいきます。なお、既存事業として、海水淡水化プロジェクトリサイクル・循環型ビジネスなどが挙げられます。

また、当社では機会拡大策の一環として、サーキュラーエコノミーの推進を掲げています。ネットワークを通じて外部動向を適切に把握し行動するため、官民連携プラットフォームであるサーキュラーパートナーズや循環経済パートナーシップ(J4CE)に加盟しています。新技術を用いた素材の再資源化やリサイクルPET製造、EVバッテリーの二次利用といった案件を通じ、自然資本への負荷低減を推進します。

リスク対応に向けた全社的な取り組み

当社では、リスク低減策の一環として、投融資案件に取り組む際は、環境・社会面のリスク・機会(影響が大きい事業はシナリオ分析や炭素価格影響分析を含む)を必須の確認事項とし、対象となる案件には環境・社会デューデリジェンスを実施しています。

また、上述のTNFD分析プロセスにおける災害リスク分析に加え、気候変動に伴う物理的リスクが当社グループ事業にもたらし得る影響についても分析を行っております。必要に応じて自然災害に関する保険を付保しているほか、財務的に重要性の高い事業や拠点については、事業継続管理(BCM)および事業継続計画(BCP)を策定・運用しています。

また、これら当社が直接関わる事業の自己点検に加え、当社事業を支えるサプライチェーンについてもリスク管理を施す必要性があります。当社では、持続可能なサプライチェーン・マネジメントの観点から、外部有識者と協業し、当社が取り扱う商材の中で環境・社会面のリスクが高い商材を「調査対象商材」として特定し、これら商材のサプライヤーを対象として、当社の「持続可能なサプライチェーン行動ガイドライン」の遵守状況を調査する「持続可能なサプライチェーン調査」を毎年度1回実施しています。従前より当社のサプライチェーン調査では人権のみならず、環境についても確認しており、サプライチェーンの環境リスク評価にも用いています。

指標と目標

1.TNFD分析を通じた目標

TNFD分析を通じて、自然関連リスクに対し、当社グループとして対応の余地が残されていることを確認しました。未対応のリスクについては毎年各対象事業とのエンゲージメントを通じて対応を促し、2030年までにリスクへの対応に着手している子会社の比率100%(2025年度:77%)を目指します。

2.その他の自然関連目標

Assessで特定したリスクには気候変動に関するものが多く含まれます。当社のサステナビリティWebサイト気候変動にて掲げている目標も併せて目指していきます。

また、Assessで特定したリスクには森林や海洋などの生態系に関するものが含まれます。当社の取り扱い商材の中には、大豆、コーヒー豆、カカオ豆、マグロ類などがあります。当社単体の取引のみならず、サプライチェーンを対象にリスク管理を行うことの重要性を、ステークホルダーとのエンゲージメントを通じて認識しており、当社ではサプライヤーとの協業を通じて、これら商材に個別の調達ガイドラインを策定、調達目標を設定しています。

3.TNFDグローバル中核開示指標への対応

TNFDグローバル中核開示指標の一部についても、本ページおよび当社サステナビリティWebサイト上で開示しておりますので、以下の対応表をご覧ください。

カテゴリ 指標番号 指標の名称 具体的な測定指標 関連する当社開示
気候変動 (ISSB準拠) 温室効果ガス排出 ISSB(IFRS S2号)に従い、Scope 1, 2, 3のGHG排出量を報告 気候変動
土地・海域の利用 C1.0 空間フットプリント 組織が管理下・監督下にある総表面積(km2)、および攪乱・修復された面積
C1.1 利用変化の範囲 生態系の種類別(森林、湿地等)または事業活動別の利用変化面積(km2)
汚染物質の排出 C2.0 土壌汚染物質 土壌に放出された汚染物質の種類別の総量(トン)
C2.1 廃水排出 排出された水の量(m3:淡水とその他に分類)および主要汚染物質の濃度 ESGデータ
C2.2 廃棄物の発生 有害・非有害廃棄物の発生量(トン)、および焼却・埋立・再利用別の処理量 資源有効活用
C2.3 プラスチック汚染 使用・販売したプラスチック総重量(トン)、および再生可能・リサイクル可能率
C2.4 非GHG大気汚染 粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)等の排出量(トン) ESGデータ
資源の利用 C3.0 水の使用量 水不足地域からの取水量および消費量(m3)。水源の特定を含む ESGデータ
C3.1 高リスク一次産品 陸・海・淡水から調達した高リスク天然一次産品の量(トン)と認証取得率 ESGデータ
外来種/状態 C4.0 侵略的外来種(IAS) 侵略的外来種の非意図的導入を防止する対策下で運営されている活動の割合 -
C5.0 自然の状態 生態系の状態レベル(質・量)および種の絶滅リスク(プレースホルダー指標) -
リスク C7.0 移行リスクの脆弱性 自然関連の移行リスクに対して脆弱な資産・負債・収益・費用の金額と割合 Assess
C7.1 物理的リスクの脆弱性 自然関連の物理的リスクに対して脆弱な資産・負債・収益・費用の金額と割合 Assess
C7.2 罰金・訴訟 自然関連の不祥事・負の影響により発生した罰金、科料、訴訟の内容と金額 -
機会 C7.3 機会への資本投入 グリーンタクソノミー等を参照し、自然関連の機会に投じた支出・投資額 -
C7.4 プラスの製品収益 自然に実証可能なプラスの影響を与える製品・サービスからの収益増加額と割合 -

TNFD開示ピラーと当社開示内容比較表

TNFD開示ピラー 本レポート該当箇所
ガバナンス A(自然関連課題に関する取締役会の監督) ガバナンス
1.ガバナンス体制
B(自然関連課題の評価と管理における経営陣の役割) ガバナンス
1.ガバナンス体制
C(ステークホルダーエンゲージメント) ガバナンス
2. 人権の尊重・ステークホルダーエンゲージメント
戦略 A(自然関連の依存・影響とリスク・機会) 戦略・リスク管理
4.Evaluate 5.Assess
B(自然関連課題による影響、移行計画や分析) 戦略・リスク管理
4.Evaluate 5.Assess
C(戦略のレジリエンス) 戦略・リスク管理
5.Assess 6.Prepare
D(優先地域) 戦略・リスク管理
2.Locate
リスクとインパクトの管理 A(自然関連課題の特定・評価・優先付け・モニタリングプロセス) 戦略・リスク管理
4.Evaluate 5.Assess
B(自然関連課題の管理プロセス) 戦略・リスク管理
6.Prepare
C(組織全体のリスク管理プロセスへの組み込み) 戦略・リスク管理
6.Prepare
指標と目標 A(リスク・機会の管理指標) 指標と目標
1.TNFD分析を通じた目標
2.その他の自然関連目標
B(依存・インパクトの管理指標) 指標と目標
3.TNFDグローバル中核開示指標への対応
C(目標) 指標と目標
3.TNFDグローバル中核開示指標への対応

一般要件

本開示における一般要件は以下の通りです。

  1. マテリアリティの適用
    当社は、ISSBの概念に基づき、企業の価値創造に重大な影響を及ぼす可能性がある財務的サステナ情報(=財務的マテリアリティ)に加え、自然資本・生物多様性に与える影響(インパクトマテリアリティ)の観点においても分析・評価を行い、ダブルマテリアリティの考え方による開示を行っています。
  2. 開示のスコープ
    本開示では、TNFD提言の4つの柱(ガバナンス、戦略、リスクとインパクトの管理、測定指標とターゲット)に沿った情報開示をします。「戦略」では、当社グループにおける財務的に重要な事業会社の直接操業(バリューチェーン上下流は一定程度考慮)を対象とした自然関連課題(自然関連の依存・影響、リスク・機会)の評価結果と、現状の取り組み、目標について開示します。
  3. 自然関連課題がある地域
    当社グループにおける財務的に重要な事業会社の直接操業やサプライチェーン上におけるアセットについて、生物多様性の重要性や水リスクなどの公開データを用いて評価し、マテリアルな自然関連課題がある可能性が高いアセットおよび地域を特定しました。さらに、特定されたアセット・地域において実態を調査し、自然関連のリスク・機会を特定しました。
  4. 他のサステナビリティ関連の開示との統合
    本開示ではTNFD提言に沿った自然関連情報のみを開示し、TCFD提言に沿った気候関連情報は別ページで開示しています。当社は、自然資本と気候変動との相互影響について認識しており、今後は気候関連情報開示との統合を検討しています。
  5. 検討される対象期間
    定量情報の対象期間は、2024年4月1日~2025年3月31日としています。取り組みや進捗に関する情報は、これらの期間を超えて開示しています。自然関連課題については短期(2026年まで)、中期(2030年まで)、長期(2050年まで)の視点で検討しました。
  6. 先住民族・地域社会・影響を受けるステークホルダーとのエンゲージメント
    本開示では、自然関連課題によって影響を受けるステークホルダーの権利を尊重し、適切な同意取得や参加プロセスを実施するための当社の取り組みについて説明しています。